2015年12月17日付の欧州委員会研究・イノベーション総局による女性イノベーター2016の最終選考に関する発表記事の概要は以下の通りである。

画期的なアイデアを市場化した女性起業家らに贈られるEU賞「女性イノベーター2016」には、EU各国並びに、EUの研究・イノベーションに対する助成金プログラムであるHorizon 2020にアソシエーション協定を結んだ国々から64件の応募が有り、最終選考に以下の9名が残った。全ての候補者はそれぞれのキャリアの何れかの時点でEUの研究・イノベーション助成金の恩恵を受けており、それぞれのイノベーティブなアイデアに基づいて近年成功裏に起業または共同起業した。9名のプロフィールは次の通り。

Zvia Agur 教授：癌個別化治療を目的とした先駆的医療ソフト技術を開発したイスラエルの主要健康産業企業であるOptimata社の創始者。
Sarah Bourke博士：国際宇宙ステーションのソフトウェアを開発しNASAからイノベーション賞を授与されたアイルランドのSkytek社の共同創設者。
Sarah Fredriksson博士：そのイノベーティブな製品が世界の製薬企業により複雑な生物学的製剤の分析に使用されるスウェーデンのGenovis社の創始者。
Claudia Gärtner博士：携帯分析システムを実現したドイツのMicrofluidic ChipShop社の共同創設者。
Pirkko Härkönen教授：フィンランドのHormos Medical社の共同創設者。新規ホルモン活性を有する医薬品を開発し、癌治療薬の開発のための試験系を創出。
Sirpa Jalkanen教授：フィンランドのBioTie Therapies社の共同創設者。有害な炎症並びに癌治療における薬剤開発のためのユニークな標的を開発。
Sylviane Muller教授：フランスのImmuPharma社の共同創設者。現在ループス（紅斑性狼瘡）に対する臨床治験で評価中の自己免疫疾患の新規治療法を発見。
Kira Radinsky博士：ミクロ経済ビジネスと販売の連携に関する予測データマイニングアルゴリズムの先駆者であるイスラエルのSalesPredict社の共同創設者。
Susana Sargento博士：車両をWi-Fiホットスポットに転換し、テラバイト級の都市データを収集する都市規模の車両ネットワークを構築するポルトガルのVeniam社の共同創設者。

３名の受賞者は2016年3月に発表され、それぞれに10万ユーロ、5万ユーロ、3万ユーロの賞金が贈られる。この賞はより多くのイノベーターと女性起業家の必要性についての社会の認識を高める目的で設けられ、今回は2011年、2014年に続いて3回目となる。

[DW編集局]