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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)
- 元記事公開日:
- 2015/11/23
- 抄訳記事公開日:
- 2016/01/27
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41の革新的エネルギー技術プロジェクトに1億2500万ドルを助成
- 本文:
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2015年11月23日付のエネルギー省高等研究計画局-エネルギー(ARPA-E)によるオープン2015に関する発表記事の概要は以下の通りである。
オープン2015プログラムでは米国のエネルギー安全保障を前進させ気候変動対策の目標達成を支援するために革新的なエネルギー技術を選定する。エネルギー省のモニッツ長官は41の最先端エネルギー技術に対する1億2500万ドルの資金提供を発表した。ARPA-Eは、技術的に優れており市場でのインパクトが期待されるが、民間投資を呼び込むには早すぎるイノベーティブな技術に対して資金を提供する。これらの投資は、COP21以後を見据えた時に、気候変動に対する取り組みや将来の地球規模での低炭素経済を達成するために必要な解決策を提供する事が期待される。
下記に、幾つかの事例を紹介する:
1.Dioxide Materials, Inc.の「グリッド規模のエネルギー貯蔵の為の高効率アルカリ水電解槽」に対し200万ドル。電力で水素ガスを効率的に生成するアルカリ水電解槽を開発し、水素化学結合の形でエネルギーを貯蔵する。2.Mackinac Technology Companyの「単板ガラス窓のリフォーム」に対し250万ドル。可視光透過率90%以上で、紫外線や熱赤外線エネルギーを反射し、冬場の熱損失を削減できる耐久性のある伝導性酸化物の窓フィルムを活用するもの。
3.Marine BioEnergy, Inc.の「外洋で培養される手頃なバイオマス原料の分断供給」に対し215万ドル。液体燃料の前駆体へ転換可能な藻類のバイオマスを外洋で大量に培養する。栄養が豊富な深層と太陽光が差す海面の間を循環させてバイオマスを生産し、嵐や船舶の接近時には海中に沈めて避けるようにする。
4.Ocean Renewable Power Companyの「クロスフロー流体動力学タービンの為の展開・回復(deployment and retrieval)システム」に225万ドル。このシステムは、タービンの羽根に能動的ピッチ制御を採用して、展開・回復モードでは推進力を生みだし、発電モードでは高効率の発電を可能とする。
5.Texas A&M AgriLife Researchの「根茎や土壌有機炭素の高度画像処理為の地中探知レーダー(GPR)」に460万ドル。根茎や土壌有機炭素の3D画像処理や定量化が可能なGPRアンテナアレーの開発により、mm単位の解像度で土壌における根の特性の可視化が可能となり、ブリーダーは気候変動に強いバイオエネルギー作物を選定できるようになる。
6.コロラド大学の「低コストでエネルギー効率の高い窓の為の塗装可能な熱反射膜」に396万ドル。ポリマーベースの安価で窓に塗装可能な省エネルギーの材料が開発中で、この膜は自己組織化してフォトニック結晶を形成し、近赤外線波長を反射し、可視光を透過させることで、窓からの太陽熱エネルギーを減らし、それにより建物の冷房をセーブできる。
7.バージニア大学の「風力エネルギー用の50MWセグメント式超軽量モーフィングローター」に357万ドル。翼荷重を減らし超軽量のセグメント式の翼を備えた風下モーフィングを特徴とする50MWの風力タービンを開発しており、既存の最大出力のタービンと較べて10倍の発電能力を有する。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]