[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2015/11/21
抄訳記事公開日:
2016/01/29

ロボット産業「十三五」計画:国産率50%を達成目標に:ロボット産業2.0時代の推進に向けて

机器人“十三五”规划:国产化率达50%

本文:

2015年11月21日付の「中国科学報」ネット版は、ロボット産業「十三五」計画では、国産率50%を達成目標とすると報じた。本記事ではその概要をまとめる。

「ロボット産業『十三五(第13次5カ年計画、2016~20年)』発展計画」の制定がほぼ完了した。前回の公開草案は旧来型の産業ロボット志向であったものの、新しい公開草案では「次世代知能ロボットの研究開発に取り組む」などの内容が主要任務として記載された。旧来型産業ロボットはモデルチェンジ・グレードアップを迫られることとなる。2015年世界ロボット大会の開催に伴い、ロボット製造が話題となり、各方面からの資金が既に用意されている中、ロボット産業2.0時代をどう推進していくかは重要なテーマである。

ニーズの視点から見ると、人口高齢化が国際問題となり、また世界における生産コストが上昇しつつあるなかで、ロボットは生産及びサービスの効率を引き上げ、人件費を低減するスマートツールとして、活用される見通しとなる。産業及び技術革新周期の視点から見れば、中国国内において、ロボットの産業生態系が徐々に形成されており、産学研連携も活性化され、中国の工業ロボット産業は高度成長期に入っている。

中国工業情報化部の苗圩部長は、工業情報化部による主導で策定されている「ロボット産業『十三五』発展計画」がほぼ完成し、新しい公開草案も既に提出し、同計画が年内に公表される見込みであると明らかにした。具体的な目標として、自主ブランドを有するロボットの国産化率が50%以上、独自の知的財産権を持つ6軸ロボットの国内市場における占有率を30%以上、工業ロボット80万台以上、を挙げている。

一方、IFR(国際ロボット連盟)のデータによると、2014年世界工業ロボットの販売台数は27%増の22.5万台に達している。過去5年間、中国の工業ロボット産業は迅速に成長し、2014年の販売台数は5.6万台に達し、世界市場の約4分の1を占め、中国は世界一の工業ロボット市場となった。ただし、ロボット産業の市場シェアは大きいものの、精密減速機、高精度ACサーボモータ及びドライバーなどの重要部品を海外からの輸入に依存し、サービスロボットのマルチセンサ、高機能インテリジェント制御などのコア技術は、世界先進製品のレベルとの差が大きい。産業規模の拡大の一方で、コア技術や部品の競争力の強化が必要とされている。

ロボット産業『十三五』計画の実施による資金配分を通じて、中国のロボット産業は如何に強くなるか、産業の自主化は如何に実現するかが問われる。市場を主体とし、政策で引導し、ロボット産業を2.0時代に推し進め、応用市場を発展させ、ロボット産業の発展を深化させることになる。

[JST北京事務所]