[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2016/01/13
抄訳記事公開日:
2016/02/03

中小企業のイノベーション振興のための10ポイント

Zehn Punkte für mehr Innovationen im Mittelstand

本文:

ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は中小企業に関する新戦略を提示し、これに関して概略以下のような報道発表を行った。

BMBFはドイツにおける中小企業のイノベーションを振興するための助成政策を新たに打ち出した。ドイツの経済モデルの中核は中小企業であり、その革新力は、ドイツがグローバルな競争において存在感を保つための決定的な要素の一つである。新10ポイント・プログラムによりBMBFは新しいアイデア、利用方法、ビジネスモデルを振興し、研究成果やソリューションモデルを中小企業に幅広く広めていくことになる。

ヴァンカ大臣はプログラムの発表に当たり「これまであまりイノベーションに積極的ではない中小企業を自ら努力するように働きかけることが目標である。将来も国際競争において先頭であるためには、未来の問題の解決に向けて積極的に取り組む中小企業の基盤を広めていかなければならない」と語り、「企業像とそのニーズは非常に様々なものがあり、この目標を達成するためにはその刺激策も多様なものでなければならない。従ってBMBFの新10ポイント・プログラムにおいて単に助成拡大だけが重要という訳ではなく、肝要なのはそこからより多くのイノベーションを獲得することである」と続けた。

最近発表された欧州経済研究センター(ZEW)のイノベーション調査によると、ドイツにおける企業のイノベーション、即ち研究開発、マーケティング、プロトタイプ、生産構造への支出は2014年は総額1,450億ユーロと高水準で安定しているが、中小企業の占める割合は減少している。支出の絶対額が実質的には停滞している。同じく新製品や新サービスを成功裡に市場導入出来た企業の割合、いわゆる「イノベーター割合」も減少している。

BMBFは新10ポイント・プログラムによってネットワーク、基幹技術等にてこ入れする効果を狙っている。中小企業を例えば同地域の大学或いは大学外研究機関との適切なパートナーシップへと導くことを目標としている。また特に重要視しているのが中小企業のための人材確保と、中小企業をデジタル化、健康な生活、および持続的経済等の基幹領域が持つダイナミズムへより強く結びつけることである。

BMBFは10ポイント・プログラムによりその中小企業振興策についても30%引き上げ、約3億2,000万ユーロに増額する。

[DW編集局]