[本文]

国・地域名:
スイス
元記事の言語:
英語
公開機関:
スイス国立科学財団(SNSF)
元記事公開日:
2015/12/17
抄訳記事公開日:
2016/02/08

パイロットプロジェクトで最初のオープンアクセス書籍を出版

Pilot project OAPEN-CH: first open access books published

本文:

スイス国立科学財団(SNSF)の2015年12月17日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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2015年2月、スイス国立科学財団(SNSF)はパイロットプロジェクト「OAPEN-CH」の1回目公募を開始したが、この試みにおいて、SNSFと学術出版社は、オンラインで自由にアクセスできるモノグラフのオープンアクセス出版プロセスに関する経験を積んでいる。また、デジタル書籍および印刷書籍の利用、販売および製作費用に関するデータ収集も行っている。今回のプロジェクトでは、オープンアクセス出版に関与している出版者およびその他の関係者との共有学習プロセスに重点が置かれている。

OAPEN-CHの第1回目公募には、スイスやドイツの学術出版社10社が参加した。最初の試験フェーズでSNSFは54冊の書籍出版を支援し、これらのうちの27冊がオープンアクセス形式で出版されている。これらの書籍は、出版者のウェブサイト、OAPEN Library、および機関リポジトリを通じて自由に閲覧することができる。長期的には、この試験フェーズで出版された書籍は、スイス国立図書館のプラットフォーム、e-Helveticatを通じても利用可能になる予定である。さらに試験出版された書籍については、紙媒体に印刷されたバージョンも入手可能である。

このプロジェクトは、利用、販売および製作費用に関するデータを収集することだけでなく、プロジェクトに参加している出版者との間で情報を共有することも主な目的としており、11月にはパイロットプロジェクトの一環としてワークショップが開催された。SNSFは、学術出版社の代表者およびその他の専門家と、オープンアクセス出版プロセスの主要テーマについて意見交換を行った。ワークショップでは特に、オープンアクセスによる書籍刊行に対するピア・レビュー手順を用いた品質管理について、参加者の間で活発な意見が交わされた。

[JSTパリ事務所]