[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
フラウンホーファー協会 システム・イノベーション研究所(ISI)
元記事公開日:
2016/01/22
抄訳記事公開日:
2016/02/23

責任ある研究とイノベーションに向けて

Navigation in Richtung verantwortungsvoller Forschung und Innovation

本文:

“Resonsible Research and Innovaton”に関連する4つのプロジェクトがEUの助成によって2013年にスタートし、このほど参加した研究者による最終報告がなされた。これに関してフラウンホーファ‐・システム・イノベーション研究所(ISI)は概略下記のような報道発表を行った。
Resonsible Research and Innovaton(RRI)の目標は、社会的なニーズと価値に合わせた研究とイノベーションである。この比較的新しい規範の理解を深め、普及させるため2013年にEUが助成する4つのプロジェクト、GREAT、Res-AgorA、 ProGress、Responsibilityがスタートした。プロジェクトに参加した研究者による共同最終会議が先週ブリュッセルで行われ、結果についてプレゼンテーションが行われた。研究とイノベーションを適切な規範によりRRIへと方向付けた “Responsibility Navigator”がプロジェクト“Res-AgorA”の文書の一つとして発表された。

会議には、アカデミア、産業界、市民社会、政界の代表者約250名が招待され、責任ある研究とイノベーションの現状と将来の展開について報告を受けた。GREAT、Res-AgorA, ProGress, Responsibilityの4プロジェクトはResponsibility Research and Innovation(RRI)の領域におけるEU助成によるプロジェクトの初めての結果である。

フランホーファーISIの Lindner博士は、プロジェクトRes-AgorAの調整役を果たし、RRI実現のための重要課題を講演の中で示した。”Responsibility Navigator”は、ケーススタディ、テキスト分析および一連のワークショップによる3年間の調査研究に基づいたものであり、10の規範により研究とイノベーションに携わる者に、研究をより責任あるもの、より持続性のあるものへと方向付けるよう働きかけるものである。
RRIの規範:
1. Inclusion: 全ての重要関係者を取り込む
2. Moderation: 各種関係者間の仲介、信頼と交換に基づく
3. Deliberaion: 関係者の様々な知識形態と関心を結集
4. Modularity and Flexibility: ハード及びソフトなレギュレーション・メカニズム並びに自己規制 及び外部規制のコンビネーション
5. Subsidiarity: 必要最小限のヒエラルキー
6. Flexibility:基本的条件の変化に対する綱領及び規制の適応、このためには定期的な検証が必要
7. Ability: 新しいコンセプトとその実行にあたっての関係者の再教育
8. Capacity: 適切なインフラによる適切な条件の整備、RRIカルチャー、情報へのアクセス、インターアクションの余地
9. Institutional Entrepreneurship: 経営トップのRRIビジョン及びその戦略
10. Culture of Transparency、法の支配と寛容: 民主主義の原則の厳守

[DW編集局]