[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2015/12/14
抄訳記事公開日:
2016/02/24

北極研究における省庁横断的な取り組みの進捗報告

New Report Describes Progress and Promise of Interagency Approach to Arctic Research

本文:

2015年12月14日付のホワイトハウスの発表によれば、国家科学技術会議(NSTC)環境・天然資源・持続性委員会(CENRS)は同日、2013年2月にホワイトハウスが発表した「北極研究5カ年計画」の下に連邦省庁16機関が実施した北極研究活動に関する報告書を発表した。発表の概要は以下のとおりである。

北極研究省庁間政策委員会(IARPC)が作成した本報告書では、研究計画の発表後2年間に実施された主要な省庁横断的活動や成果について記述している。これらの試みは、北極における環境の変化の理解と予測能力の向上を図るべく、研究ファンディングと研究人材のてこ入れを狙ったものである。報告書はIARPCが進めた省庁間の協力強化、及びアラスカ州、現地コミュニティ、大学、地元団体、国際研究機関など他の組織からの参加促進の経緯について詳述している。

北極圏の環境変化は現地コミュニティのみならず、温暖な地域のコミュニティにも深刻な影響を及ぼす。例えば陸地の氷が融けると海面の上昇につながり、地球全体の沿岸コミュニティが犠牲になる。また北極海の氷の縮退は地域海水中の種の構成に影響を及ぼし、結果として海洋資源に依存する人々の食生活にかかる費用の増加や収穫量の変化を強いることになる。氷海の縮退は地球温暖化を加速させ、大気と海洋の循環を変え、世界の他地域の気候パターンに急激な変化をもたらす。北極システムの理解を深めることが緊急に必要である。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]