[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー省(DOE)
元記事公開日:
2015/12/17
抄訳記事公開日:
2016/03/02

エネルギー省が歴史的な省エネ基準を発表

Energy Department Announces Largest Energy Efficiency Standard in History

本文:

2015年12月17日付のエネルギー省(DOE)による新たな省エネ基準に関する発表記事の概要は以下の通りである。

DOEは市販のエアコンと炉について新たな大幅な省エネ基準を発表した。産業界、電力会社並びに環境団体と共同で作成されたこの基準は、過去エネルギー省から発出されたどの基準よりも省エネとなる。実行されると製品寿命期間において、事業者には1,670億ドルの光熱費の削減となり、炭素排出量は8億8,500万トン削減される。

モニッツ長官によると、この規則は、強力な官民パートナーシップにより、環境並びに経済的な面で成果を得ながら技術的なブレークスルーを推進できる事を示し、政府と事業者が協働して如何に米国の炭素削減目標を達成できるかを示す良い事例である。

オバマ政権下でDOEは、40を超える家庭用品や商品の新しい省エネ基準を決定した。その中には市販の冷蔵設備、電気モーターや蛍光灯が含まれ、2030年までには消費者に5,350億ドル近い出費の節約と、20億トンを超える温室効果ガスの排出削減をもたらす。これは、大統領の第一期及び第二期を通して設定されたDOEの目標である炭素排出量削減基準30億トンの3分の2以上を達成することになり、全米の電力系から生じる炭素排出量の1年分以上の削減に値する。

市販のエアコンと炉のこれら新たな省エネ基準は2段階にて実施される。第一段階は2018年に始まり製品において13%の省エネをもたらす。その5年後、新たな商業ユニットに関しては更なる15%の省エネが要求される。市販のエアコンは屋上ユニットとして知られ一般的に学校、レストラン、大規模小売店並びに小規模オフィスビルなどの低層ビルで使用されていて、全米の商業用延べ床面積の約半分の冷却を賄う。

この基準を決定するに当たり、エネルギー省は17の利害関係者(ステークホルダー)を一堂に集めた。これには、暖房冷凍空調工業会(Air Conditioning, Heating and Refrigeration Institute)や米国空調契約業者団体(Air Conditioning Contractors of America)を含む主要な業界団体と併せて、米国の主要製造業、電力会社や省エネ団体が含まれる。新製品の製造は米国の労働者に熟練工雇用の機会を提供するとの事で、労働者団体幹部の支持を獲得した。

これらの基準は長年に亘る業界のイノベーションに負うところが多い。

DOEの「高性能屋上ユニットへの挑戦」は、幾つかの製造業により高効率で費用対効果が優れた屋上エアコンの開発を促した。これらのユニットの商業化を経て、エネルギー省の「先進屋上ユニットキャンペーン」はプロセス全般に亘って技術支援を提供する事で、事業者による4万個以上の屋上ユニットのアップグレードを促進した。新基準は、全ての産業で将来に亘って電力料金の低減をもたらす省エネエアコンが利用できるよう約束するものである。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]