Innovate UKの2015年12月9日付標記発表記事の概要は以下のとおり。

英国の精密医療（precision medicine）の研究・開発・実用化におけるリーダーらが、この分野の新たなパートナーシップを奨励し新たな好機に注目するために企画されたイベントに集まった。

精密医療は、個別化医療または層別化医療の名でよく知られているが、患者の遺伝子、環境、ライフスタイルの違いを考慮に入れた疾病の治療・診断の新しい方式である。患者の治療成果の向上を図るべく、個々の状況に即したより的確な標的治療を目的とする。

“Precision Medicine UK”はロンドンで開催された国レベルの協力を仰ぐイベントで、Innovate UK、ウェールズ・ヘルス・ケア研究所（Health and Care Research Wales）、国立衛生研究所（NIHR）、英国キャンサー・リサーチ（Cancer Research UK）、医学研究会議（MRC）などが主催した。このイベントは、精密医療分野で英国を世界のトップたらしめるためのプログラムの一環であった。

上記イベントでは精密医療分野の主要な研究開発や実用化の展示があり、参加者にとって各施設の提供内容や潜在的なパートナーについて知る良い機会となった。がん、神経科学と画像診断、心臓血管系・呼吸器系疾患、健康解析（health analytics）、感染症・免疫疾患・炎症性疾患について各々セッションが開かれた。

精密医療に共同で取り組んでいる英国の機関は、下記を含む研究開発にすでに約2億ポンドを投資している。

・腫瘍プロファイリング及びがん治療の向上
・バイオマーカーの特定、検証、採用の促進
・医薬品の摂取と国民保健サービス（NHS）におけるコンパニオン診断の促進

慈善団体、保健機関、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの行政機関を含む全領域の機関が、Innovate UKの「層別化医療イノベーション・プラットフォーム」の傘下で業務を統括しようとしている。

Innovate UKはまた、この標的治療の新方式を開発し実現するとの目的で、英国を世界で最も刺激的な場所とすべく、精密医療カタパルト・センターを設立した。

[DW編集局]