[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
フラウンホーファー協会 システム・イノベーション研究所(ISI)
元記事公開日:
2016/02/16
抄訳記事公開日:
2016/03/11

サプライヤーのイノベーション能力の評価手段を開発

Fraunhofer ISI entwickelt Instrument zur Bewertung der Innovationsfähigkeit von Zulieferern

本文:

フラウンホーファー・システムイノベーション研究所(ISI)は、企業がそのサプライヤーのイノベーション能力を継続的に評価できる新しいプロセスを開発した。これに関してISIは概略下記のような報道発表を行った。
フラウンホーファーISIは、企業がサプライヤーのイノベーション能力を評価できる新しい方式を開発したが、他方サプライヤーもデザインフィールドにおけるイノベーション・ポテンシャルに関する重要な情報を提供することになる。それには「イノベーション文化及び戦略」、「コンペテンス及び知識」あるいは「プロセス・マネジメント及びプロジェクト・マネジメント」という分野が含まれる。この評価方式は既にドイツ鉄道(株)がそのイノベーション的サプライヤーを表彰する、“Supplier Innovation Awards”で利用されており、ドイツ鉄道のサプライヤーは3月10日まで本年度イノベーション賞への応募ができる。

企業が競争力を維持するためには、常にイノベーションに挑戦し、継続的に自己を発展させていかなければならない。企業は自分のイノベーションには積極的であり、その内部プロセスの最適化はできるが、多くの場合において、サプライヤーのイノベーション能力とその効果については全く知識を持たない。しかし製品やサービスの品質は決定的にサプライヤー企業に依存していることが多い。

こうしたことからISIは、企業がそのサプライヤーのイノベーション能力を把握し、総合的に判断できる評価方式を開発した。この方式はサプライヤーの継続的な評価を可能にし、サプライヤーに対し現有のイノベーション・ポテンシャルの拡大とその有効利用の為のオプションを示すことができる。サプライヤーはこれによって自身がどの程度のイノベーション能力を有しているのか、改善点はどこにあるのか等を他の企業との比較で知ることができる。

評価方式は、2年間の企業に対するアンケート調査を基にし、60に及ぶ部分的指標をベースとする。これら部分的指標から7つの重要フィールドを選び、それに従ってサプライヤーの判定を行う。「イノベーション文化と戦略」、「コンペテンスと知識」、「技術」と並び、「製品とサービス」、「プロセス・マネジメントとプロジェクト・マネジメント」、「ネットワークと協力」、更には「市場」等の領域が取り上げられる。これらの7つのフィールドに関する企業の回答から最終的に総合指標が得られ、これによってサプライヤーの現在のイノベーション能力を総合的に判定することができる。
ドイツ鉄道が2016年に初めて特にイノベーション業績のあったサプライヤーを表彰するSupplier Innovation Awardsではこの評価手法が既に有効に利用されている。この表彰は特に、過去ドイツ鉄道の業績に積極的に影響し、新規性や付加価値の向上をもたらしたイノベーションを評価するものである。

[DW編集局]