[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国政府科学庁
元記事公開日:
2016/01/19
抄訳記事公開日:
2016/03/14

ブロックチェーンを超える分散型台帳技術

Distributed ledger technology: beyond block chain

本文:

政府科学庁局(GO-Science)の2016年1月19日付標記報道発表の概要は以下のとおり。

このほど公表された分散型台帳(distributed ledgers)に関する報告書において、ウォルポート(Sir Mark Walport)英国政府首席科学顧問はこの技術による公共サービス提供方法の改革及び生産性向上の方策を提示している。

分散型台帳は、全体的に透明性のある情報更新によりネットワーク上での共有を目的として、金銭的、物的、電子的資産を安全に記録することのできるデータベースである。その原型はビットコインのようなデジタル・キャッシュ・システムの根拠となった2008年の「ブロックチェーン」である。この技術が進化して多様なモデルとなり、様々なビジネス上の問題に適用して情報共有を劇的に向上させることができるようになった。分散型台帳技術は、不正、過失、紙集約型処理コストを削減できる新たな手段を政府に提供する。また、商品や知的財産権の所有権や出所を保証する新たな手段を提供できる可能性もある。分散型台帳は、ダイヤモンド市場や国際的援助金の支払いにすでに活用されている。

報告書では次のような提言をしている。

・政府は、政府内部で分散型台帳技術に関する構想、リーダーシップ、及びプラットフォームを確保すべく省レベルでの主導性を発揮する必要があり、そのグループがガバナンス、プライバシー、セキュリティ、基準について検討する必要がある。
・政府は公的セクター内での分散型台帳技術の利用可能性を評価するため、分散型台帳技術の試験手段を確立する必要がある。
・政府は地方自治体向けに、分散型台帳技術とそのアプリケーションを試験するために必要な全要素を一体的に扱う分散型台帳技術実証試験機関の創設を支援する。
・英国の研究コミュニティは、分散型台帳の拡張性、安全性を確保し、その内容の正当性を証明するのに必要な研究に投資する必要がある。

[DW編集局]