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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 大統領府
- 元記事公開日:
- 2015/12/12
- 抄訳記事公開日:
- 2016/03/16
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COP21パリ協定の締結と米国の指導力
U.S. Leadership and the Historic Paris Agreement to Combat Climate Change
- 本文:
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2015年12月12日付けのホワイトハウス発表の標記声明文の概要は以下のとおりである。
● パリ協定は気候変動に世界全体で対処するという意欲的な構想を推進するものである。これには次のような内容が含まれる。
・長期目標の強化(温度上昇の限度を1.5度Cにする努力目標を初めて定めるなど)
・全ての国が関与するユニバーサル・アプローチ
・5ヵ年目標サイクルを固定
・時間と共に目標を徐々に高くする
・グローバルな気候変動対策の厳密な評価
・イノベーション・技術に関してマーケット・シグナルを送る● パリ協定では全ての国が各々のコミットメントに従って確実に行動できる堅固で明解なシステムを確立する。そのための手段として次の措置がとられる。
・全ての国にとって高度に明解なシステムを整備する
・各国に温室効果ガスの排出量に関する報告を求める
・各国に軽減策の進捗状況に関する報告を求める
・基準に基づく承認を伴う技術的レビュー・プロセスを確立する● 気候変動への対処には、クリーン・エネルギー、森林保護、気候変動に対して強靭なインフラに向けてグローバルな投資フローを変える必要がある。発展途上国がクリーンで強靭な成長を追求する場合、グローバルなコミュニティからの支援が必要である。パリ協定では次の措置を講じる。
・世界が低炭素未来に向かっているという強力で長期的なマーケット・シグナルを提供する
・(発展途上国に対して)既存の財政的取り組みで対応できると言う自信を与えるパリ協定のこの部分は、発展途上国における軽減・適応活動に対して、官・民の財源からの資金を動員するという米国の取り組みを示すために米国がパリにおいてとった措置に基づくものである。次のような措置である。
・「ミッション・イノベーション」の立ち上げ
官・民によるグローバルなクリーン・エネルギー・イノベーションを促進し、世界の電力資源内訳(power mix)をクリーンで手頃な価格で信頼性のあるものにする新技術を劇的に展開する重要な取り組みである。世界のクリーン・エネルギー研究開発ファンディング基盤の約80%を占める20カ国が、その各国の研究開発投資を5年間で倍にすることを約束した。加えてビル・ゲーツ氏が主導するグローバル投資家28者の連合組織が、「ミッション・イノベーション」参加諸国におけるエネルギー技術の早期ブレークスルーの支援を約束した。・気候変動への適応向けに米国の助成金ベースの資金支援を2020年までに倍増
ケリー国務長官が発表したものである。2014年時点で米国は発展途上国における気候変動への適応に年4億ドル強の助成金ベースの投資をしている。● 地方自治体、企業、投資家・起業家、市民による協定以外の補完的行動が、パリ協定を大きく補完する力となっている。次の例がある。
・”Compact of Mayors”(市長協定)、米国117名の市長による協定
・”Under-2 MOU”、カリフォルニア、オレゴン、バーモント、ワシントン、ミネソタ、ニューハンプシャー、ニューヨークなどの州による協定
・「米ビジネス気候変動対応行動誓約」、154企業が署名
・「米キャンパス気候変動対応行動制約」、大学等311校が参加 [DW編集局+JSTワシントン事務所]