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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2016/02/17
- 抄訳記事公開日:
- 2016/03/18
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重要な未来テーマ設定
- 本文:
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研究イノベーション審議会(EFI)はその第9次研究イノベーション技術力勧告をメルケル首相とヴァンカ連邦教育研究大臣に提出。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。
EFIは研究イノベーション技術力勧告において、特にデジタル化に関し、付加価値や雇用の創出の為の新しいソースを開発するため、研究政策とイノベーション政策をより強力に方向づけすることを提言している。社会的なイノベーション、デジタル化、中小企業の研究促進のいずれの重点施策も連邦政府として推進していく。
ヴァンカ大臣はEFIに対し謝意を表し、この勧告は経済繁栄と豊かな生活に関する政策を今後進めていく上での議論の貴重な基盤となるとし、「ドイツの未来にとって科学と研究はますます中心的な役割を担うであろう。社会の発展はこれまでに類を見ないほどダイナミックなものとなっている。このため今何を進めようとしているのか、新しい道をどこに築くのか、より強く検討していかなければならない」と語った。
連邦政府は新ハイテク戦略によって技術的な面だけでなく、社会的なイノベーションも視野に入れていく。EFIも指摘しているように、社会的重要課題を克服するためにこの点が益々重要になる。進化するデジタル化はあらゆる生活領域に浸透し、ドイツのイノベーション・経済システムを重要な課題に直面させる。専門委員会はあらゆるセクターにおける新しいデジタル・ビジネスモデルの開発を強調している。専門委員たちは、連邦政府が当初から重要な措置を講じて来たとし、「プラットフォームIndustrie 4.0」の設立、新たなITセキュリティ研究基本計画、“Industrial Data Space“に関するイニシアチブ、ヘルスケアITの促進、ドイツインターネット研究所の立ち上げを挙げている。
ヴァンカ大臣は「デジタル化はドイツにチャンスをもたらすものだ」とし、Industrie 4.0はドイツの競争力を国際的に引き上げるために中心的なものであるとしている。大臣は「これに関しては技術標準化とITセキュリティが重要であり、また中小企業を支援し、人材の能力向上を考慮していくことも重要である。教育と科学、経済と社会においてデジタル化を一貫して進めていく」と語った。
EFIは、中小企業のイノベーション活動が、国際的な比較においてイノベーション支出が少なく、イノベーションに対する熱意も後退している、と分析している。ドイツは研究とイノベーションの強化に向けて更に努力している。2014年に連邦政府と産業界は約840億ユーロを研究・開発に支出している。これによりGDPに対する研究開発支出の割合は約2.9%となった。ドイツは国際比較で上位を占めイノベーション・リーダーの一つに数えられている。欧州の研究開発上位10企業にドイツが6社を占め、労働市場でも躍進し、2005年から2014年の間に研究界において約12万6,000の新しい雇用が生まれている。
[DW編集局]