[本文]

国・地域名:
スイス
元記事の言語:
英語
公開機関:
スイス国立科学財団(SNSF)
元記事公開日:
2016/02/10
抄訳記事公開日:
2016/03/30

名古屋議定書法令(Nagoya Ordinance)を施行

Entry into force of the Nagoya Ordinance

本文:

スイス国立科学財団(SNSF)の2016年2月10日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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2016年2月1日、名古屋議定書法令(Nagoya Ordinance)が施行された。スイス国立科学財団(SNSF)は、遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)の項目を研究申請書に追加した。

名古屋議定書、ならびに自然遺産および文化遺産の保護に関する法律とともに、他国の遺伝資源の利用に関連したスイスの法的基盤を構成しているのが、名古屋議定書法令である。名古屋議定書の内容を国内法へと置き換えるためのこの法令により、研究者は、名古屋議定書署名国からの遺伝資源を利用する研究において相当な注意(due diligence)を払うことが義務付けられる。

この法令では、こうした相当な注意に関連して収集すべき情報が詳述されており、遺伝資源を利用して作られた製品を市場提供または販売する際は、予め連邦環境局(Federal Office for the Environment:FOEN)に通知することが義務付けられている。FOENは、名古屋議定書の実施を担当する監督官庁で、従うべき手順に関する情報を研究者に提供している。SNSFは、こうした相当な注意の実践を奨励するため、申請書に「遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)」に関する項目を追加した。名古屋議定書の枠組み内で実施されるすべての研究は、申請書の「承認および通知が必要な研究(Research requiring authorization and notification)」の項目でその旨を申告しなければならない。

名古屋議定書は2010年に採択されて以来、欧州連合およびその他66カ国によって批准されている。スイスは、2014年7月11日に批准した。名古屋議定書に対するスイスの取り組みは、2014年10月12日付の「自然遺産および文化遺産の保護に関する連邦法(Federal Act on the Protection of Nature and Cultural Heritage:NCHA)」に基づく同議定書の実施によりさらに強化された。2015年12月11日には、スイス連邦参事会が、NCHAの条項を具体的に明記した名古屋議定書法令を採択し、2016年2月1日の発効に至った。

[JSTパリ事務所]