[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
共同研究センター(JRC)
元記事公開日:
2016/02/29
抄訳記事公開日:
2016/04/06

藻類由来のバイオ燃料:実現が待たれる新進の技術

Biofuels from algae: a budding technology yet to become viable

本文:

欧州委員会共同研究センター(JRC)の2016年2月29日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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欧州委員会共同研究センター(JRC)がこのほど発表した文献レビューによると、高い期待が寄せられ、過去10年にわたって大規模な研究と投資が行われたにもかかわらず、藻類由来のバイオ燃料を経済的に存続可能なかたちで生産するには、技術的な選択肢が未だ開発途上にあり、藻類を育成するための主要資源への過大な負担になっているという。2015年末の時点でも、藻類からバイオ燃料を生産するための大規模な商用施設は稼働していない。

このレビューは、バイオ燃料を生産する供給原料として藻類を利用するための技術的選択肢の現状を提示するもので、その目的上、有望視される藻類バイオ燃料の生産過程に関する最近の進捗を、技術的進展、機会および制約という側面から総合的にまとめている。JRCの研究者は、現在利用できる藻類バイオ燃料の生産過程におけるライフサイクルアセスメント(LCA)における主な前提条件、モデリング・アプローチおよび結果を分析している。

研究者らが注目したのは、エネルギーと温室効果ガス(GHG)排出量のバランスに影響を及ぼす主要なパラメータである。また、藻類バイオ燃料の生産過程と従来の化石燃料のそれとのパフォーマンスの比較についても報告されている。こうした分析結果は、総合的な生産効率と潜在的な環境リスクに対する研究上の優先順位や各種機会、制約などを特定する上で有益な貢献を果たすことができるとしている。

レビューではさらに、藻類バイオ燃料産業の発展につながるシステムの統合戦略を実施する前に、藻類から燃料を生産するという計画に伴う技術・経済的な課題や環境への影響についても適正に評価する必要がある(包括的な影響評価が行われていない)としている。

[JSTパリ事務所]