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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2016/02/18
- 抄訳記事公開日:
- 2016/04/11
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国務院、科学技術成果の移転を支援する政策措置を確定
- 本文:
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2016年2月18日付の「中国科学報」ネット版は、「国務院、科学技術成果の移転を支援する政策措置を確定」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。
2月17日、国務院常務会議が北京で開催された。同会議では、国家が設立した研究機関、高等教育機関の科学技術研究成果について、譲渡と承認、或いは価値査定・投資といった方法を通じて、企業や他の組織に科学技術成果を移転させることを奨励し、これらの取組みの一部について、政策による支援を享受できることが確定された。
支援策として五つの措置が着実に実施できれば、科学研究成果と市場ニーズの乖離の局面をより改善し、科学技術と経済の深みのある融合を促進できる。その五つの措置の要点は以下の通り。
一、科学技術研究成果の移転を自主的に決定した場合、原則的に審査届けは必要としない。審査届けを免除することで、中小型企業への技術移転を円滑にし、専門的な技術移転機関の設立を促進する。これらの取組みは、科学技術・イノベーションに基づく経済発展方式の転換の加速化に重要な役割を果たすこととなる。
二、成果移転の収入は全額、移転元の機関及び大学等に帰属する。その収入は主に科学技術者への奨励、科学研究、成果実用化等へ投入する。科学技術研究成果の移転と取引価格は規定に基づき公表する。科学技術部・中国科学技術発展戦略研究院・科学技術と社会発展研究所の趙延東所長は、「成果移転の収入を全額、移転元の機関、大学等に帰属させるのは機関等の自主権を拡大させ、科学研究者を更に激励できる」と表明した。
三、譲渡、使用許可で取得する純収入、現物出資で取得する株、出資持分のうち、50%以上を技術移転奨励金に充てなければならない。研究開発と成果実用化に貢献した主要研究者(一名)へは、技術移転奨励金全額の50%以上を支払わなくてはならない。科学技術者が成果実用化により技術開発、サービス等に従事する場合、法律・法規に基づき奨励金を取得できる。その他、職責・義務の履行を前提に、科学研究成果の移転に伴う価値の変化を生じる事業機関の意思決定の責任を免除する。
四、科学技術者が本業を全うすることを前提に他の機関・企業で科学技術成果の実用化に関する業務を兼任し、また3年間を上限に職籍を保留したまま休職し、関連技術成果の実用分野で創業することを認める。休職期間に、同科学研究者が担当する国家科学技術計画と基金プロジェクトは原則的に中止してはならない。科学技術者の成果転化を激励するため、企業による株式インセンティブ、ストックオプション、プロジェクト収益配分方式等の導入を奨励する。
五、科学技術研究成果の実用化実績を研究機関と大学等の人事考課の項目に組み入れる。「国家自主イノベーションモデルエリア」で試行されている税優遇政策の全国導入を加速させ、企業・機関、個人の科学技術成果転化に関する財政・税収制度を構築する。科学技術イノベーションにより安定成長、構造調整、民生産業の支援・促進作用を更に発揮する。浙江農林大学の周国模校長は、「新たな政策措置は大学・機関の論文、特許等の科学技術研究成果を現実の生産力に転化させることを促進し、更に科学技術成果の転化を推進する」と述べた。
[JST北京事務所]