[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立標準技術研究所(NIST)
元記事公開日:
2016/01/20
抄訳記事公開日:
2016/04/21

より機敏に動くロボットの開発を目指す国際コンテスト

NIST Launches International Competition to Make Robots More Agile

本文:

2016年1月20日付の国立標準技術研究所(NIST)による汎用性に富むロボットの国際コンテストに関する発表記事の概要は以下の通りである。

NISTは、電気電子技術者協会(IEEE)のオートメーション科学技術に関する会議(Conference on Automation Science and Engineering)と共同で、産業オートメーション用の機動的なロボットの為のコンテスト(the Agile Robotics for Industrial Automation Competition, ARIAC)を開催する。この史上初のシミュレーションをベースとするコンテストは、より能力の高い、汎用性に富んだ、協調的でより簡単にプログラム出来るロボットを製作する際の課題を解決するために、最新の人工知能とその他の最先端の技術の応用を鼓舞する事を目指している。コンテストで提示された解決策は現実の製造現場をシュミレートしたコンピューターモデルで実演される。

今回の取り組みにより、組織及び個人はコンテストの課題の立案過程に参画できるようになる。NISTは特定の作業関連の課題について2016年8月にテキサス州フォートワースにて開催予定のIEEEの会議で発表する予定である。現在のロボットは限られた少数の作業に優れているが、限られたレパートリを拡大して製品のデザイン変更や工程変更に対処するためには著しいオフラインでの再プログラミング作業が必要となり、作業中断時間が長期化する。実際に製造現場にロボットを導入するために必要なプログラミングにかかる作業はロボットを配備する費用の45-60%に上るとされている。ロボットが広範囲の作業をこなし、更に作業変更を迅速に行うことが可能となり、機動性が改善されれば、この技術が広く採用されるための主要な障壁が取り除かれることになり、特に中小製造業者には使い易くなる。

機動性の限界を克服するためには以下の4つの重要な分野での進歩が必要である。
1.失敗の特定と回復:製造工程における失敗をロボットが自ら検知し、自動的にそれらの失敗から回復する。
2.プログラミングの自動化:新製品導入の際にロボットを前もってプログラミングする時間を無くす又は最小化する。
3.固定具・設備の無い環境:ロボットが周囲を感知して、所定の位置に置かれていない製造部品に対して作業を行う。
4.プラグ・アンド・プレー(plug and play)ロボット:種々の異なるメーカーのロボットがプログラムの変更無しで自由に入れ替え可能となる。

NISTはARIACから得られた成果や知識を、ロボットの機動性を計測するための基準や試験方法の開発、さらには製造者がロボットシステムの機動性評価のための道具を開発するための取り組みに利用できるようにする。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]