[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国財務省
元記事公開日:
2016/03/16
抄訳記事公開日:
2016/04/21

2016年度予算の概要

Policy paper: Budget 2016

本文:

英国財務省の2016年3月16日付ポリシー・ペーパーでは、2016年度予算の概要を解説している。その中から科学技術・イノベーションに関係する部分を抜粋要約して以下に記す。

● 長期投資の促進

教育・スキルの向上策および企業支援策に沿った長期投資の今後の支援方策について述べている。その中で「高度の科学技術・イノベーション」領域では、研究インフラに2021年までに69億ポンドを投資する(英国を無人運転車の中核拠点にするなど)としている。

● 科学技術・イノベーション

・シェフィールド市街地域企業ゾーン(Sheffield City Region Enterprise Zone)の拡大
地方企業の成長を支援する目的であるが、政府はこれによりこの地域の自動車産業を含む広範なセクターに跨る先進製造技術の専門能力構築を支援する。

・国立スマートデータ・イノベーション研究所
政府はニューキャッスルの国立スマートデータ・イノベーション研究所に1,500万ポンドを投資する。この新施設では、産業界、公的セクター、大学を結集して、スマートデータがもたらす好機を活用するのに必要なスキル、アイデア、資源の創出を目指す。

・原子力製造技術プログラム
英国にとってベストバリューの小型モジュール炉を特定するコンペティションの開始と併せて、政府は21世紀の原子力製造技術プログラム向けに3,000万ポンド以上を割り当てる。これにより、原子力先進製造業研究センター(シェフィールド)やサー・ヘンリー・ロイス先端材料研究所(マンチェスター)など、北部の原子力研究中核拠点の機会創出を図る。

・シェールガス開発基金(Shale Wealth Fund)
政府は、シェールガス開発基金(Shale Wealth Fund)の優先・実行モデル、および地域社会や北部全体に対するその配賦方法に取り組む。シェールガス開発基金は25年間で最高10億ポンド相当になる見込みである。

・バーミンガムSTEAMハウス
政府は、バーミンガムの創造的イノベーションセンターである「STEAMハウス」に1,400万ポンドを投資する。これにより芸術・文化と科学、技術、工学、数学とを一体化してイノベーションを牽引する。

・Quadram研究所
政府は、ノリッジ・リサーチパークにおける世界トップクラスの食品・保健研究センター新設に5,000万ポンドを投入する。

・科学技術・イノベーション監査
本監査は、各地域の研究・イノベーション能力に関するマップを作成し、世界的な競争で優位に立つ可能性を有する地域を特定するのに役立つ。

・化合物半導体応用カタパルト
政府は2020年度までに5,000万ポンドを投資して、ウェールズに新規の化合物半導体応用カタパルトを新設する。

・ダイソン・バッテリー
政府はダイソン社に最大で1,600万ポンドの助成金を出して、バッテリー技術の研究開発を支援する。

・航空宇宙研究開発のファンディング
政府は産業界と連携してミッドランド地方の企業および研究機関に対して1,600万ポンドの助成金を出し、航空宇宙研究開発を支援する。

・低排出ガス車
政府は産業界と連携して、低排出ガス車両庁(Office for Low Emission Vehicles)およびInnovate UKを通じ、低排出ガス車の共同研究開発に対して全国で3,800万ポンドの助成を行う。

[DW編集局]