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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2016/03/30
- 抄訳記事公開日:
- 2016/04/26
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国家自然科学基金委員会(NSFC)、2015年度の直接助成費用が約218億元(約3700億円)に達する
- 本文:
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2016年3月30日付の「中国科学報」ネット版は、NSFCは2015年度の直接助成費用が約218億元(約4000億円)に達したと報じた。本記事ではその概要をまとめる。
3月29日、NSFCの楊衛主任は、「『十三五』(第13次五カ年計画:2016-2020年)期間中や『十三五』以降の長期に渡り、国家自然科学基金委員会は引き続き中国の基礎研究を推進し、科学技術の先進諸国と比べても『総量、貢献、源泉の3つの視点を同時並行で達成すること』を目標とし、イノベーション型国家の科学的基礎を固めていく」と表明した。国家自然科学基金委員会第7期第4回会議において、楊衛主任は「3つの考えである総量、貢献、源泉」について具体的に紹介した。
総量とは科学研究の投入、産出量を科学技術の先進国の水準に持っていくことである。論文の総引用数が世界2位に上昇し、高被引用論文著者が世界全体の10%を占め、1本あたりの平均の引用回数が世界の平均値に接近するようになることを目指す。貢献とは学術分野の発展過程において、より多くの中国人科学者がマイルストーン的な貢献を果たし、毎年10項目ぐらいのマイルストーンとなる学術分野のフロンティア開拓を進め、5%以上の学術分野のフロンティアの形成を主導し、より多くの科学者が主要学術団体において指導的な立場となることを目指す。源泉とは中国が世界の科学の発展に重大で独創的な貢献を果たし、社会経済発展を支える重大な独創的なイノベーションを有し、毎年3-5項目の重大なイノベーションの源泉となる成果を創出し、一連の学術分野の発展を牽引する科学研究センターを設置することを目指す。
楊衛主任の紹介によると、2015年に国家自然科学基金委員会は、優先的にイノベーション研究を支援し、独創的なイノベーション能力を徐々に向上させ、選択的に各種類のプロジェクトを40,668項目支援し、直接助成費が218.84億元(約3,700億円)、間接助成費が39.58億元(約680億円)に達成したとのこと。具体的には、重点プロジェクトを625項目支援し、直接助成費は17.88億元(約300億円)にのぼり、プロジェクト1件当たりの助成費が286.08万元(約4,900万円)であった。また、「エボラウイルスの生物学的特性及び発症メカニズムに関する基礎研究」等の重大なプロジェクトを20項目支援し、直接費用は3.18億元(約54億円)であった。さらに、「炭素系エネルギー変換・利用の触媒科学」等の重大な研究プログラムを3件実施した。設備の支援としても、重大な国家科学研究設備に関する研究開発プログラムとして、81項目支援し、直接費用は5.03億元(約86億円)であった。部門推薦項目を5つ支援し、直接費用は3.69億元(約63億円)であった。
2015年度の支援計画によると、持続的にイノベーション人材を育成し、科学研究チームの育成を推進することも一見できる。青年(若手)科学基金は16,155項目を支援し、総プロジェクト数の40%を占め、直接費用は31.95億元(約540億円)であった。そのうち、女性申請者は6,593項目の支援を受け、全体の41%を占めていた。地域科学基金は2,829項目を支援し、直接費用は10.96億元(約180億円)であり、総額の5%を占めていた。優秀青年(若手)科学基金は400人を支援し、国家傑出青年(若手)科学基金は198人を支援し、新たに38のイノベーション研究チームを支援した。同時に優秀青年(若手)科学基金の助成金は100万元(約1,700万円)から150万元(約2,500万円)に上がった。
[JST北京事務所]