[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領科学技術諮問会議(PCAST)
元記事公開日:
2016/02/23
抄訳記事公開日:
2016/05/12

技術と未来の都市に関する提言を大統領に提出

PCAST Releases Technology and the Future of Cities Report to the President

本文:

米国にとって、都市化の進展は、イノベーションの強さを見せつけ、輸出を増やし、そして住民の生活向上を支援するといったチャンスの全てを一挙にもたらす。この三重の好機を捉えるには、都市住民のための都市機能を強化する新技術の開発とその応用を目的とした協調的な取り組みが必要となる。

大統領科学技術諮問会議(PCAST)の最新の提言「技術と未来の都市(Technology and the Future of Cities )」では、何故、今が都市において技術を推進するべき好機であるのかを説明している。即ち、
■ 都市には多くの多様性に富んだ市民が生活しており、それがさらに増加する傾向にある。
■ 市民は、従来とは違った空間の使用方法、生活様式、働き方、および市内の移動方法について益々寛容になりつつある。
■ 交通、エネルギー、および上下水道のための物理的なインフラが老朽化しつつある。
■ 都市サービスの設計と運営を支援し、より優れたインフラを可能とする様々なイノベーションの成果が手の届くところにある。

また、システムやサービスの設計と運営に当たっては、情報を収集し活用するための新しい方法がある。それが市の予算であれ市民の時間であれ、情報をより上手く利用する事で限られた資源を最大限に活用することができ、富裕層のみならず貧窮者も新技術の恩恵を受ける事ができる。

技術が約束するビジョンは市全体に適用されるが、PCASTは、都市がインフラやその他のイノベーションを導入するための実際的な方法としては、先ずは分離された区域から始める事を提案している。その区域の大きさはそのイノベーションの内容にもよる。分離された区域での経験はその都市の他の地域での決定に役立ち、また他の都市でも利用できる。PCASTは都市のイノベーションに関する情報やツールをより幅広く共有する事を促している。

PCASTは連邦政府の、都市との関わりを最大限に活用するための様々な措置を提言している。先ずは、都市におけるインフラ投資に関して重要な省庁間の協調の強化と、より効果的な取り組みを呼び掛けている。都市の課題を解決するために研究開発のみならずIT を基盤とした取り組みの活用を推進する大統領行政府スマート都市イニシアチブ(White House Smart Cities Initiative)に基づき、PCASTは更に都市サービスの基礎となる物理的なインフラ技術を含めた研究開発での協調拡大を呼び掛けている。都市設計と都市生活の新時代が出現しつつある。米国が、イノベーションを促進する形で連邦政府の投資を都市に向ける事ができればその影響は大きい。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]