アイルランド科学財団（SFI）の2016年3月16日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
＝＝＝
アイルランド科学財団（SFI）が、科学、技術、工学および数学（STEM）を推進するため、新たな全国／国際キャンペーン＃ScienceRisingを開始した。政府の科学戦略「イノベーション2020（Innovation 2020）」を支援するこのキャンペーンは、産業界や一般市民に対し、アイルランドの科学研究やイノベーションに親しんでもらうための機会を設けることを狙いとしており、科学分野の研究や成果、および持続可能な経済的・社会的発展において科学技術が果たす役割について情報発信をしている。

2015年、SFIが依頼した包括的な調査の報告書「SFIアイルランドの科学バロメーター（SFI Science in Ireland Barometer）」によると、アイルランド国民のうち88％が、アイルランド経済の繁栄にはSTEM分野の専門人材を継続的に供給することが不可欠であると考えており、84％が、STEMに対する政府の投資は十分に価値があると考えているという。ただ58％の人々がSTEMに関心があると答えている一方で、70％は、STEMは専門的すぎて理解できないと回答している。このことはつまり、知識がないことが必ずしも無関心には結び付かないということを示すとしている。＃ScienceRisingキャンペーンは、STEMは専門的すぎて理解できないと考えている人々をターゲットとしており、科学に関わり、科学に参加する人々の数を増やすことを目的としている。

＃ScienceRisingは、2016年11月のサイエンス・ウィークまでの間、創造的かつ魅力的なプログラムを通じて、アイルランドの科学的遺産や現在の科学研究の成果、また、今回の投資が将来に向けてもたらすであろう可能性について、人々に情報を提供していく。SFIは＃ScienceRisingのマイクロサイトを開設し、科学に関する意義あるコンテンツの発信や月毎に科学関連のテーマを探っていく。キャンペーンには、世界をリードする12のSFI研究センターやSFIが支援する教育事業、公的プロジェクトも連携協力することになっている。

＜関連リンク＞
＃ScienceRising
http://sciencerising.sfi.ie/

[JSTパリ事務所]