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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 報道センター
- 元記事公開日:
- 2016/05/16
- 抄訳記事公開日:
- 2016/05/16
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データ駆動型経済における欧州の優位性を高める「欧州クラウドイニシアチブ」
European Cloud Initiative to give Europe a global lead in the data-driven economy
- 本文:
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欧州委員会報道センターの2016年4月19日付け標記発表の概要は以下のとおりである。
欧州委員会は、ビッグデータ革命の果実を科学・ビジネス・公共サービスにおいて活用するための、クラウドを用いたサービスや世界レベルのデータインフラ構築のための青写真を公開した。
欧州は世界第一の科学的データの生産者であるが、インフラが不十分かつ散在しているため、ビッグデータのもつポテンシャルを十分に活用することができていない。そこで欧州委員会は、既存の研究インフラを強化・連携させることで、欧州の170万人の研究者と7,000万人の科学技術の専門家が、分野や国境を越えてデータを蓄え、共有し、再利用するための仕組みである「欧州オープンサイエンスクラウド」の構築を計画している。この仕組みは、高速ネットワーク、高容量ストレージ、および大規模データの処理を可能にするスーパーコンピュータを活用する「欧州データインフラ」により下支えされる。
具体的には、以下のようなスケジュールで物事を進めようとしている。
2016年:既存のeインフラを統合し、既存の科学クラウドや研究インフラ等を連携させることにより、「欧州オープンサイエンスクラウド」を創出する。
2017年:以降にHorizon 2020の研究・イノベーションプログラムの支援を受けたプロジェクトにより産出されたすべての科学データを原則的に公開し、科学コミュニティが大量のデータを再利用することを可能にする。
2018年:興隆しつつある量子技術の開発を促進するための「旗艦イニシアチブ」タイプの取り組みを立ち上げ、次世代のスーパーコンピュータの基盤をつくる。
2020年まで:ハイパフォーマンスコンピューティング、データストレージ、ネットワークインフラを、欧州レベルの規模で開発・活用する。たとえば、次世代のスーパーコンピュータのプロトタイプの調達、欧州レベルのビッグデータセンタの設置、研究・イノベーションのためのバックボーンネットワークのアップグレード、等を行う。
必要な投資額は、官民合わせて67億ユーロであると見積もられている。そのうち20億ユーロはHorizon 2020から支援が行われる見込みである。残りの47億ユーロについては、今後5年の間に公的・民間の投資が行われることが望まれる。
[DW編集局]