[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
鋭科技
元記事公開日:
2016/04/18
抄訳記事公開日:
2016/05/17

中国科学技術部(MOST)、2016年度部門予算を公表

科技部公布2016年度部门预算

本文:

2016年4月18日付の「鋭科技mp」は、中国科学技術部(MOST)が2016年度部門予算を公表したと報じた。本記事ではその概要をまとめる。

2016年は小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的完成の最終段階の始動の年である。中国科学技術部(MOST)は『国家中長期科学技術発展規画綱要(2006-2020年)』、『中央財政科学技術プログラム(特定プロジェクト、基金等)に対する管理の改革を深化させるためのプラン』(国発[2014]64号)、『国務院・中央財政科学研究プログラム・資金管理の改善・強化に関する若干の意見』(国発[2014]11号)等に従い、2016年度の部門予算を作成した。中国科学技術部2016年度当初の部門予算総額は256.08億元(約4,300億円)である。

1、 収入予算
(1)一般公共予算収入:2016年当初の予算額は2,341,097.80万元(約3,960億円)であり、2015年当初の予算額より765,013.02万元(約1,290億円)減少し、減少幅は24.63%である。減少の理由として、科学技術部が、『国務院・中央財政科学研究プログラム・資金管理の改善・強化に関する若干の意見』に従い、科学技術プロジェクトの管理改革を行った結果、国家重点研究開発プログラム・特別プロジェクトの新規公募がいったん停止されたためである。今後、新たな重点研究プログラム・重点特別プロジェクトは、計画の立案後にプロジェクト予算が専門ファンディング機関の予算に編入されることになる。
(2)前年度予算の繰越
2016年当初の繰越額は219,739.01万元(約370億円)であり、2015年当初より1,841.75万元(約3億円)増加し、増加幅は0.85%であった。繰越の内訳は、主に中小企業発展特別プロジェクトによる繰越金収入123,950万元(約200億円)、科学技術成果移転誘導基金による繰越金収入64,235万元(約108億円)、研究院(所)のシステム改革による繰越金収入13,800.91万元(約23億円)である。

2、 支出予算
(1) 一般公共サービス支出:2016年当初の予算額は260万元(約4,400万円)であり、2015年当初の予算額はゼロであった。主に、内部不正調査特別プロジェクトに支出する。
(2) 外交支出:2016年当初の予算額は14,699.17万元(約24億円)であり、2015年当初の予算額より3,030.08万元(約5億円)増加し、増加幅は25.97%であった。主要な原因は中国アセアン(ASEAN、東南アジア諸国連合)協力に関する新規事業が増えたためである。
(3) 教育支出:2016年当初の予算額は800万元(約1.35億円)であり、2015年当初と同額である。
(4) 科学技術支出:2016年当初の予算額は2,401,676.71万元(約4,000億円)であり、2015年初より20.33%減少した。主要な理由国のファンディングシステム改革により、新規研究開発プログラム・プロジェクトの予算が他の部門に編入されることにある。
(5) 社会保障・就労に関する支出:2016年当初の予算額は3,554.06万元(約6億円)であり、2015年当初より1.44%増加した。
(6) 省エネ・環境保護に関する支出:2016年当初の予算額は237.87万元(約4,000万円)であり、2015年当初より137.87%増加した。主要な要因は、省エネルギー・新エネルギー車の実証や促進基金プロジェクトのためである。
(7) 資源探査・電力情報等に関する支出:2016年当初の予算額は136,550万元(約230億円)であり、2015年当初より52.87%減少した。主要な原因は2015年に『中小企業発展特別プロジェクト資金管理弁法(試行)』が打ち出され、中小企業発展特別プロジェクトに対する資金支出が調整されたためである。
(8) 住宅保障に関する支出:2016年当初の予算額は3,059万元(約5億円)であり、2015年当初より17.31%減少した。

[JST北京事務所]