[本文]

国・地域名:
ロシア
元記事の言語:
英語
公開機関:
ロシア連邦政府
元記事公開日:
2016/04/04
抄訳記事公開日:
2016/05/26

ロシア北極圏(スピッツベルゲン諸島)科学観測隊の創設

Creation of the Russian Scientific Arctic Expedition to Spitsbergen Archipelago

本文:

ロシア連邦政府の2016年4月4日付標記発表の概要は以下のとおり。

2020年までのロシアのスピッツベルゲン(スバルバール)諸島駐留戦略が、政府指令によって認可された。この戦略では、ノルウェー領に属する当該諸島に対するロシアのプレゼンスの確保を、ロシアの北極政策における戦略的優先事項の一つに位置付けている。スピッツベルゲン諸島とそれに隣接する北極海水域において基礎研究および応用研究を推進することが、これら地域における最も有効な活動の一つであるとの視点に立ったものである。

スピッツベルゲンのロシア研究センター構想は2014年9月の政府指令によって認可されている(http://crds.jst.go.jp/dw/20141107/201411073501/)。この研究センターは各省庁からの研究、教育、その他の関連組織で構成する学術コンソーシアムとして運用される。センターでは、スピッツベルゲン諸島、隣接する大陸棚、および北極海水域の包括的な環境研究が実施される。これには、ロシアの経済発展と安全保障の促進、諸島地域と北極海域における環境プロセスと汚染状況をモニタリングするための統一インフラの創設、各省庁の研究プログラムの統括、国際協力の推進とスピッツベルゲン諸島におけるロシアのプレゼンス強化といった狙いがある。当該研究センターの調整役は、ロシア水文気象環境監視局(ロスハイドロメット)傘下の国立研究センター「北極南極研究所(AARI)」が担う。

今回の指令により、恒久的なロシア北極圏(スピッツベルゲン諸島)科学観測隊が創設される。この観測隊は上記研究センターが定めた活動を実行し、情報提供や方法論的支援を行う。また研究センターの活動の企画、研究プログラムの作成、それらの実行監督も担当する。研究インフラや気象天文台「バレンツブルク」の連続運転を確保するため、本科学観測隊にはAARIの職員25名が常勤スタッフとして従事し、それ以外に季節スタッフとして研究者、学生、インターン等75名が現地で勤務する。

ロシア北極圏(スピッツベルゲン諸島)科学観測隊は、2012~2020年期の国家プログラム「環境保護」を通じてファンディングを受ける。

[DW編集局]