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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2016/04/14
- 抄訳記事公開日:
- 2016/05/30
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科学技術部:2020年までに複数の世界で影響力を持つイノベーション・センターを構築
- 本文:
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2016年4月14日付の「中国科学報」ネット版は、「科学技術部:2020年までに複数の世界で影響力を持つイノベーション・センターを構築」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。
イノベーション型省・市(市は県の上位概念)の建設を推進し、2020年までに世界トップレベルの科学技術力を持つイノベーション型国家へ転換させるために、科学技術部は「イノベーション型省・市の建設の指導方針」を制定した。その要点は以下の通りである。
一、2018年までに、東部、中部、西部及び東北地域の一部の省・市は率先してイノベーション型省・市となり、イノベーション型省・市の研究開発(R&D)経費対GDP比2.5%以上という目標を目指す。さらに、イノベーション型企業、ハイエンド人材チームを育成し、一部の重点産業がグローバル・バリューチェーンの下流に入り、イノベーション駆動発展を実現する。
二、2020年までに、より多くのイノベーション型省・市の建設を推進し、全国及び世界で影響力を持つ地域イノベーションセンター、科学技術及び新興産業の重要な創発拠点を構築し、協同かつ有効的な形の地域イノベーション体系及びイノベーション型経済構造を形成する。
三、メーカースペース※の専業化発展を促進し、製造業、現代サービス業等の重点産業領域における企業、研究機関及び大学の協同イノベーションを強化して、「大衆創業・万衆創新」※の発展に有利な政策環境、制度環境及び公共サービス体系を整備する。
四、産業変革を牽引する中核企業を形成し、国際競争力を持つブランドや産業クラスターを形成する。
五、産業技術革新のための重大プロジェクト及びアクションを実施し、産業技術の基盤技術を研究開発・普及し、戦略的新興産業の育成及び発展を加速する。
六、国家自主イノベーションモデル区、ハイテク産業開発区、農業科学技術パーク、持続的な発展実験区を推進し、経済発展の新たな原動力を創成し、より高度な地域イノベーション拠点を構築する。
七、企業、大学、研究機関により国家技術イノベーションセンターを建設する。
八、銀行、保険、証券、ベンチャーキャピタルなど金融資本と民間資本をいかし、イノベーションへの投入により多元化、多様化する融資体系を形成する。
九、中央・地方連携、軍民融合(デュアルユース)、産学研連携により地域協同イノベーション共同体を構築し、特色を持つ地域イノベーション体系と高効率なイノベーションネットワークを形成する。
十、「一帯一路」戦略、京津冀地域(北京市、天津市、河北省)の協同発展、長江流域経済ベルト発展戦略ならびに東部・中部・西部・東北部地域経済発展戦略の元で、上述の地域においてイノベーション環境がよい地域で、イノベーション型省・市の取り組みを試行し、その成功経験を生かして徐々に省・市の全体へ普及していく。
※メーカースペース(MakerSpace)はコミュニティとして運営するワークスペースで、多くの場合はコンピューターやテクノロジー、科学、デジタルアートまたはエレクトロニックアートなどに対して共通に興味を持つ人々が出会い、ソサイエティ(社会)を形成したりコラボレーション(協働)したりすることが出来る場所である。
※「大衆創業、万衆創新」 中国政府が打ち出したイノベーションを起こすスローガンである。ようするに、起業を奨励し、国民一同でイノベーションを起こそうというメッセージを伝える用語である。
[JST北京事務所]