[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
共同研究センター(JRC)
元記事公開日:
2016/04/28
抄訳記事公開日:
2016/05/31

教育機関のデジタル化支援ツール

Helping educational organisations to go digital

本文:

欧州委員会共同研究センター(JRC)の2016年4月28日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
===
欧州委員会共同研究センター(JRC)は、学習プロセスにおけるデジタル技術/リソースの利用・統合に関する教育機関による自己評価支援ツールとして、初の汎欧州概念モデルを設計した。この概念モデルは、政策立案者が地域レベル、国レベルおよび欧州レベルで効果的に展開できるような政策を考案する際にも役立つ。また、デジタルスキルやデジタルラーニングの向上という欧州委員会の目標、およびデジタル技術とデジタルコンテンツを利用した学習・指導を推奨することを目指した「Open up Education」イニシアティブを支援するものにもなるとしている。

この概念モデル「デジタル時代に対応した教育機関のための欧州の枠組み(European Framework for Digitally-Competent Educational Organizations:DigCompOrg)」は、自己評価のベースとして、また学習過程のあらゆるレベルにおいて、デジタル時代にふさわしい学習方法を積極的に活用するための戦略開発を進めるうえでの基礎として利用することができる。これは、初等教育学校、中等教育学校、職業教育、トレーニングセンター、そして高等教育機関にも対応している。

このモデルは欧州委員会の教育・文化総局に代わって、JRCが開発したもので、欧州全域で行われている同様のイニシアティブ間の透明性と互換性を高めることを狙いとしており、EU加盟国間の進度の差の是正にも役立つとしている。

DigCompOrgは、指導、学習、評価および学習支援に関する活動はカバーしているが、教育機関で利用される可能性のある管理システムや情報システムのすべてを対象とはしていない。

2016年、JRCは実地調査を行い、EU3カ国の多くの初等・中等教育機関、職業教育およびトレーニングセンターを対象にDigCompOrgをもとにした自己評価アンケートを実施することにしている。この自己評価アンケートの結果と概念モデルを統合したバージョンは、2017年末までにリリースされる予定となっている。

[JSTパリ事務所]