[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2016/04/25
抄訳記事公開日:
2016/05/31

介護サービスロボット

Service-Roboter statt Pflegeheim

本文:

ハノーバー国際見本市の開催に当たりサービスロボットに関するアンケート調査が行われ、その結果について連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

サービスロボットか介護施設か。もし高齢になっても自分の家に住むことが出来るならば、サービスロボットを家で利用することは考えられる、とドイツ人の83%が回答している。このほどハノーバー国際見本市の開催に当たりBMBFの委託により世論調査会社のforsa社が行ったアンケート調査の結果である。回答者の半数以上(56%) が現在すでに、自宅用にサービスロボットを購入することは考えられるとしている。これまで3割に満たない国民しかロボットとのコンタクトを持ったことがないにもかかわらず、回答者の76%はサービスロボットが将来の日常生活においてますます重要な役割を果たすことを確信している。サービスロボットの家事、看護、介護における利用に関する研究については80%の回答者が重要あるいは非常に重要としている。

ヴァンカBMBF大臣は「市民がロボットに対しオープンな姿勢であることを歓迎する。家庭や健康分野で支援してくれるロボットの開発を更に前進させていきたい。これに関して二つの観点が重要であると思われる。すなわち人間がロボットをコントロールし、容易に操作できるものでなければならないということ、そしてその価格が適切なものであるということである」と語った。

将来のロボットは単に、強く、速く、精密であるだけでなく、日常生活において人間にとってより賢明で、より対話能力のあるパートナーであるべきである。このためBMBFは「介護のための自律ロボット」に助成重点をおいて双方向に対話が可能なロボットの研究を強化していく。ヴァンカ大臣によれば「技術的な可能性を人間の実際的なニーズに一致させていかなければならない。これができれば、自律的システムは生活の質を持続的に向上させることができる」。

将来、ロボットはますます人命救助のために貢献し、またレスキュー隊に代わって危険な活動を行うことができる。例えば消防隊は危険をおかして、有毒ガスや、極度の高温あるいは危険な放射線に身をさらすことがまだまだ多い。こうした状況で将来はロボットが利用されることになる。ヴァンカ大臣は、化学工場の事故や崩壊の危険のある建物等での利用を想定し、ドイツにおける研究を集中させるため、「生命を危険にさらす環境におけるロボット及び自律システム」というテーマの研究拠点を創りたいとしている。この中で民間の安全性研究機関、アカデミアと企業、特に中小企業が協力することになる。このために開発が最高レベルでなされるように優れたテスト環境を創りあげる。

BMBFの助成措置によって、これまで既に、土砂に埋もれた人々の救助や爆弾の信管を外す作業の支援を行うロボットが開発されている。また熱や放射線を感知でき、火元に近づいて、有毒ガスや放射能の拡散を分析できるドローンも開発されている。

連邦政府に戦略的研究テーマを勧告するハイテク・フォーラムは、自律システムとその将来の利用方法の今後の研究に関する提案を作成し、ハノーバー国際見本市においてヴァンカ大臣に手渡した。同報告は生産技術や自動車の自動走行領域における「自律システム」実現におけるドイツのチャンスと重要課題を内容としている。

[DW編集局]