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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 英国財務省
- 元記事公開日:
- 2016/04/14
- 抄訳記事公開日:
- 2016/06/01
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抗菌薬耐性の恐るべき脅威、財務大臣が警告
- 本文:
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英国財務省の2014年4月14日付標記発表の概要は以下のとおり。
ジョージ・オズボーン(George Osborne)財務大臣は「世界全体で一体的な措置を講じなければ、抗菌薬耐性は今日のがん以上に人類にとって致命的な脅威になる」と警告した。これは、抗生物質が通常の感染症に対して効力を失いつつあるという深刻化する問題に対処するための国際的な施策を議論する場(米、ワシントン D.C.)での発言である。「最近の信頼すべき調査によると、2050年までに世界全体で毎年1,000万人が結果として死に至る(現在のがんによる年間死亡者数より多い)可能性がある」と同大臣は述べている。
オズボーン大臣はまた、ヒトの健康に対する影響とは別に莫大な経済的コストが生じるとも述べている。2050年までに抗菌薬耐性は世界全体のGDPを最大3.5%減らす可能性があり、その累積コストは100兆ドルに達するという。
上記のワシントンにおけるIMF会合でオズボーン大臣は「この問題に対する長期的な解決策を見出すためには、世界全体でファンディングする新型の助成金により製薬企業等のインセンティブを劇的に変える必要があり、それによって新しい抗生物質の開発を支援し、発展途上国における抗生物質の使用を確保する必要がある。また膨大な量の不必要な抗生物質使用を削減するには、より的確で迅速な診断法が必要である」と述べた。
英国は抗菌薬耐性の問題を国際的なアジェンダに押し上げるべく、一連の措置を講じてきた。2014年、キャメロン首相はG20諸国の指導者の中でその脅威の深刻さについて公の場で語った初めて人物となり、同問題を地球規模で捉え可能な解決策を見つけるよう政府に指示を出した。この結果英国ではすでに2つのことを実施している。一つは中国と抗菌薬耐性(AMR)基金を設立し、またビル・メリンダ・ゲイツ財団との協力により、初期段階の研究に対する公的資金を増やしている。もう一つは、2億6,500万ポンドのフレミング基金により、低所得環境における薬剤耐性の進行と拡大に対する監視力の強化を支援している。
[DW編集局]