[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2016/05/07
抄訳記事公開日:
2016/06/02

外国人留学生の増加によって米国の科学・工学系大学院生数が増加

Number of science and engineering graduate students up in 2014: Increase largely due to foreign student influx

本文:

2016年3月30日付米国国立科学財団(NSF)による標記報道発表の概要は、以下のとおりである。

NSFの国立科学技術統計センター(NCSES)の報告書によれば、2014年の米国大学の科学・工学系大学院生数は58万7,161人で、前年(57万300人)から3%増加した。この増加は、大部分が外国人留学生の数が前年比で13.1%増加したことによる。他方、米国人大学院生の数は前年から2.1%減少し、2014年の科学・工学系大学院生数の内訳は米国人大学院生が37万3,378人で外国人留学生が21万3,783人である。

また、この報告書は、科学・工学系大学院生への支援の資金源が連邦資金から自己資金へとシフトする傾向を指摘した。2009年以降連邦資金による支援を受けた科学・工学系大学院生の割合は19.0%から15.7%へと減少した(2014年の連邦資金による支援を受けた科学・工学系大学院生数は前年から5.3%減少)。他方、在籍大学から支援を受けている科学・工学系大学院生の割合は2009年以降40.2%程度で安定的に推移している。

この他この報告書で報告されている主な事項は、次のとおりである。
●コンピュータ科学と電子工学の分野における大学院生の増加傾向は続いており、2014年における両分野の大学院生数は前年比それぞれ22.1%および9.9%増加した。
●多くの工学分野で2009年から2014年にかけて大学院生数が20%以上増加した。
●2014年における心理学と社会科学分野の大学院生の数は前年比それぞれ5.8%および2.6%減少した。

以上の情報は、2014年にNCSESが実施した科学・工学系分野における大学院生とポスドクに関する調査の結果に基づくものである。

なお、2014年からこの調査の枠組みが変更され、従来の調査対象大学に加えて151の大学についても新たに調査を行った。新規に調査対象となった大学も含めた集計結果では、2014年の科学・工学系大学院生の数は60万1,883人(うち外国人留学生の数は21万9,371人)となっている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]