[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国民教育・高等教育・研究省(MENESR)
元記事公開日:
2016/04/28
抄訳記事公開日:
2016/06/02

高等教育・研究業務の簡素化に関する50項目の重点施策

SIMPLIFICATION DE L'ENSEIGNEMENT SUPÉRIEUR ET DE LA RECHERCHE

本文:

2016年4月28日に国民教育・高等教育・研究省のティエリ・マンドン高等教育・研究担当大臣は標記重点施策を発表した。発表文書では50項目の施策について記述しているが、その中で特に研究に関する主要施策を抜粋して以下に記す。

・国立研究機構(ANR)のプロジェクト公募: 応募文書作成の負担軽減
2017年のANR包括的プロジェクト公募では、研究プロジェクト記述部分の最大ページ数を次のように制限する。
-予備選考段階では3ページまで(現在は5ページまで)
-最終選考段階では20ページまで(現在は30ページまで)

・ANRプロジェクトの進捗管理・経理業務に要する時間の軽減
-プロジェクトの当初3年間は、EUの実施例に倣って研究中間報告一回のみとする
-進捗管理手続きをペーパーレス化し、規則で定められた義務に対する立証・管理業務を少なくする

・知的財産権管理の簡素化
-共同研究ユニットの契約では特許に関して単一の代理人を指定する
-知的財産権の共同所有権及びそれによる収入に関して、共同研究ユニットの監督機関の間の分配方式を定める
-単一代理人と共同所有権者との間で発生する知的財産権に関する経費の分担方式を定める

・EUプログラムで採択されなかった研究者向けの二度目の機会
-プロジェクトは採択されなかったが、それでも「卓越」していると評価された若手研究者を救済する目的で、ANR新規プログラムにおける選考の簡素化措置をとる
-ERCに対する再応募に向けて、上記若手研究者とそのプロジェクトを各機関が個別に支援する
-このようなプロジェクトの支援に今年は1,000万ユーロが割り当てられる(大統領発表)

・若手研究者支援措置の効率化
-他の冗長な手段は取り除き、リソースを「若手研究者」プログラムに集約させる
-目的を2つに絞る。1つはフランスの若手研究者の欧州プロジェクトに向けた飛躍台として、もう1つは外国の若手研究者を引き寄せる手段として

・企業との研究提携の促進
-知的財産権管理を簡素化する
-研究契約の協議や管理方式を企業のニーズに適合させる(中小企業との関係に対処できる契約形式、独自代理人の指定など)
-公的機関と政府との全ての契約において、技術移転を各機関の目標および業績とする

・研究の成果利用・起業に対する研究者の参画を容易にする
-(研究者による成果利用・起業の促進措置である)アレーグル法に関する総括報告の作成と改善方策の提言を然るべき有識者に委託する
-上記提言に基づいて、研究者が自らの研究成果を活用して関与する会社の起業、再生、および売却の方式の緩和を図る

・外国人研究者受け入れ環境の改善
-4年間の複数年滞在許可証”talent”を新規に発行する
-「科学者・研究者」査証手続きの一環としての外国人研究者受け入れ協定のモデルを見直す
-外国人研究者雇用主の同意手続きを簡素化する
-欧州域内での人材交流を促進すべく、外国人研究者雇用主の同意に関する欧州指令にフランスの規則を適合させる
-健康保険登録の登録に要する期間を30日以内にする
-非永住の外国人研究者向けに学生賃貸保証制度(CLE)に匹敵する制度を設ける

・(市民)参加型研究の組織化と推進

・ANRプロジェクト公募における基礎研究の位置づけを強化する

[DW編集局+JSTパリ事務所]