[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2016/05/03
抄訳記事公開日:
2016/06/06

世界の深海へ発見の旅

Entdeckungstour in die Tiefen der Weltmeere

本文:

2016年巡回展示船「MS科学号」の展示巡回出港にあたり、連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

「MS科学号」が世界の海の興味深い、珍しい姿を紹介すべく出港する。訪問者は持続可能な漁業とはどのようなものか、VR(バーチャル・リアリティ)めがねを通して熱帯のサンゴ礁はどう見えるのか、数千メートルもの深い海底の全くの暗闇の中でどんな生物が生きているのか遊び感覚で学ぶことができる。ツアーは「2016/17科学年-海洋」の一端としてキール港を出港。同船は9月までドイツ国内の33港に寄港する。来年は第二のツアーとしてドイツ中央、南部を重点に35地点を巡り、オーストリアに至る。

2016/17科学年は社会的に非常に重要なテーマ、地球の未来にとっての海洋の重要性と取り組む。海洋の面積は地球の71%を占める。海水は気候を左右し、食料源でもあり世界経済にとって大変重要である。ヴァンカ大臣は「海洋について学ぶことで、環境を損なうことなく利用し、効果的に保護するために科学と研究が必要である」とし、「2016/17科学年にあたり、海洋の将来を確保するために科学と研究で何ができるのか、その意識を高めていきたい」と語った。

連邦政府は今後10年の沿岸、海洋、極地における研究助成に関するプログラムと取り組んでいる。科学年は「発見」、「利用」、「保護」の三つの行動分野を対象とする。これらは人間の海洋に対する関係を反映している。研究によって複雑な海洋生態系である海に関する新しい認識を得ることになる。これによって如何にして海洋を持続可能な形で、経済的に利用することができるのかという問題と取り組み、海洋の保護をいかにして向上させることができるのかについて議論していく。

MS科学号の船上では海洋の未来に関する研究展示のほか、映画の夕べ、ワークショップ、討論会などの様々な催しが行われる。新しい試みとして「オーシャン・ワークショップ」が開催され、そこでは海に関心のある市民が研究者、デザイナー、コンピュータ・スペシャリストと共に海洋の未来に関する問題解決策を論ずることができる。
科学年はBMBFと「対話における科学」(WiD)の共同イニシアチブであり、船上の展示はBMBFの委託によっている。

[DW編集局]