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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 米国科学振興協会(AAAS)
- 元記事公開日:
- 2016/04/07
- 抄訳記事公開日:
- 2016/06/06
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研究開発予算は義務的経費によって決定
- 本文:
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2016年4月7日付の米国科学振興協会(AAAS)による2017会計年度(FY2017)R&D予算の「義務的経費」の取り扱いに関する発表記事の概要は以下の通りである。
連邦政府の科学関連省庁の予算は2013年の予算執行停止措置から回復しつつあるが、オバマ大統領が提案しているFY2017におけるR&D予算要求は「義務的経費」(予算法案以外の法案に明記された必要経費)への大きな依存により複雑化している。新たな「義務的経費」の一部となるR&Dイニシアチブのファンディングには伝統的な予算法案プロセスの枠外での新たな法案が必要となる。
2015年の超党派予算法案(Bipartisan Budget Act)によりFY2017の支出をFY2016並みに抑える事にした後、政府はFY2017予算に「義務的経費」でファンディングされる一連の新たなパッケージを提案した。これらは予算法案の支出上限の枠外で、別法案での議会承認を必要とするものであり、仮に承認されなければ2016年一括法案からの上乗せ分は後退する。
オバマ政権のFY2017予算4.1兆ドルの内R&D支出は1,529億ドルを占め、前年度比62億ドル増になる。この内42億ドルは「義務的経費」から来るもので予算割当プロセスから支出されるものではない。「義務的経費」分が無ければR&D予算は単に1.4%増に過ぎずインフレ率を下回り、非国防R&D予算は10億ドルの削減となり、基礎研究費は70万ドルの減となる。
全体予算では国土安全保障省(DHS)、国立標準技術研究所(NIST)、米国航空宇宙局(NASA)など幾つかの省庁でR&D支出削減となるが、仮に「義務的経費」支出が承認されなければ運輸省(DOC)、農務省(DA)、国立衛生研究所(NIH)などでは一転してR&D予算の削減となる。
・ NIH予算は「義務的経費」を含めると8億2,500万ドルの増となるが、含めないと10億ドルの削減になる。「義務的経費」の中のR&D向け支出は主として癌の研究に使われるもので、一部はBRAINイニシアチブおよび個別化医療イニシアチブに割り当てられている。
・ エネルギー省では「義務的経費」を含めた場合R&D支出が6.1%増となり、含めない場合は4.2%増となる。エネルギー効率・再生可能エネルギー局並びにエネルギー高等研究計画局(ARPA-E)の応用研究は予算増となる一方で、国内核融合エネルギー予算は削減となる。
・ 国立科学財団の場合は「義務的経費」を含めた場合R&D予算が6.7%増となり、含めないと1.3%増となる。
・ NASAの予算は「義務的経費」を含めた場合は1.3%の減で、含めないと5.3%減となる。
大統領のFY2017の予算要求では再生エネルギー、気候研究並びにインフラを支援するためのR&D支出増を呼びかけている。米国のR&D支出を世界的な視野で見ると米国のR&Dインテンシティ(GDPに対するR&D投資の百分率)は現行2.74%であり、過去10年間に増大したものの、東アジア諸国の台湾、韓国、そして特に中国に急速に追い上げられている。2020年までにはドルベースのR&D投資金額で中国に抜かれると見込まれている。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]