[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立研究機構(ANR)
元記事公開日:
2016/04/05
抄訳記事公開日:
2016/06/06

SALWAREプロジェクトが集積回路のセキュリティ対策を提案

Microélectronique : Le projet SALWARE propose des solutions pour sécuriser les circuits intégrés

本文:

国立研究機構(ANR)の2016年4月5日付標記発表の概要は以下のとおり。

マイクロエレクトロニクス業界は数年前から集積回路の生産コストの上昇と複雑さの増大に直面している。そのため生産手段を持たない企業(いわゆる「ファブレス」)の大幅な増加や生産部門の(海外などへの)移転が認められる。結果的に集積回路は偽造や盗難の対象となり、そのような状況が、メーカーにとっての産業財産権、産業界にとってのセキュリティ、公衆にとっての信頼性に影響を及ぼしている。したがってこれらの製品のセキュリティを確保する技術的解決策の開発が、フランスや欧州にとって戦略的に重要な課題である。

「若手研究者」プロジェクト公募の一環で2013年にファンディングを受けた”SALWARE”プロジェクトは、集積回路のセキュリティ技術を進化させた。さらに集積回路メーカーや関連業界が偽造や不正使用に対抗できるように、新たな手段への道を開く様々なタイプの解決策を開発した。

特に、非接触通信技術を利用した知的財産権情報を伝送する、超軽量離散型システムを提案している。このシステムは既存のシステムに比して1,000倍の伝送速度を持つ。またマイクロエレクトロニクスのディジタル指紋法により集積回路の固有IDの特定を可能とするクローン不可の物理的新機能の提案も可能にした。”SALWARE”プロジェクトのさらにもう一つの成果として、論理解析アルゴリズムによるディジタル集積回路のブロッキング法がある。

このファンディングにより、これまでフランスではほとんど関心が払われていなかったテーマに対して、若手研究チームの取り組みが可能となった。

[DW編集局+JSTパリ事務所]