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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 英国王立協会
- 元記事公開日:
- 2016/04/29
- 抄訳記事公開日:
- 2016/06/20
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研究・高等教育・イノベーションの変革
CHANGES TO THE RESEARCH, HIGHER EDUCATION AND INNOVATION LANDSCAPES
- 本文:
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王立協会(Royal Society)の2016年4月29日付標記発表の概要は以下のとおり。
英国の研究制度の中核には「ハルデイン原則」(研究投資に関する科学的判断は政府とは独立に研究者が行い、政府は全般的な戦略方針を定める)がある。この原則の適用によって、エクセレンスこそが投資の第一義的規準であり英国の研究・高等教育・イノベーション制度の土台であることが保証される。
ポール・ナース卿による「英国の研究会議に関するレビュー」で提案された変革は、英国の研究戦略および研究界と政策決定者間の意思疎通の強化を狙ったものである。この目標達成に必要不可欠な事項は次のとおりである。
・研究領域の新規開拓、学際的研究の展開、国家的能力の向上といったより広範な戦略的監督と併せて、研究会議、Innovate UK、QRファンディングの間の連携を密にする。
・個々の研究会議、Innovate UK、QRファンディングの科学的・組織的自律性を維持する。
・科学界で高水準の科学者など最も高い力量を有する人材の招致・育成・保持を目的とする指導職を新組織内に設ける。
・科学を政府の中枢に近づけるハイレベルの科学監督機関を設立する。経済や社会に対する研究やイノベーションの重要性を考慮すると、これは有効である。研究システムは互いに連動する成分で成り立っている。政府がナース・レビューの提案の一部のみを推進するとしたら、弊害が生じて目的を達成できなくなる危険性がある。実施には多くの技術的な変更が必要であり、それは結果として全般的に一貫性のある戦略ビジョンに繋がるようにする必要がある。
[DW編集局]