[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2016/05/11
抄訳記事公開日:
2016/06/29

深セン、イノベーション駆動で全国をリードすることを目指す

著名科学家在深圳建实验室可获最高1亿元支持

本文:

2016年5月11日付の「中国科学報」ネット版は、「深セン、イノベーション駆動で全国をリードすることを目指す」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

今後数十年続くイノベーション駆動において全国をリードするため、深セン市共産党委員会、市政府はこのほど、「科学技術イノベーションの促進、企業競争力の向上、人材優先発展戦略の実施」に関する施策を公表した。本施策は「著名な研究者が深センで実験室を設立すれば最高1億元(約18億円)の資金援助を獲得できる」、「世界トップ500社に初めて入選した深センの企業に対して3000万元(約5.4億円)を奨励として供与する」、「今後5年間で3〜4名の両院(中国科学院・中国工程院)院士を育成する」等が含まれている。本施策の要点は以下の通り。

一、積極的にイノベーション主体性を喚起する
1. プロジェクト受託研究機関は、研究資金に更に多くの自由度を持たせることができる。例えば、必要に応じて人件費の支出割合が最高で5割に達してもよい。
2. 研究成果の移転において、研究成果の使用・処置・収益の権限を研究機構に全権を委ねる。科学技術成果の転化により得た全ての収入は研究機構に属し、当該研究成果を生み出した研究グループリーダ、主要研究者に収益70%以上を与えることが可能である。
3. 世界レベルの研究者がリードする研究室に対して、最高1億元(約18億円)の資金が供与できる。

二、競争力のある企業群を形成する
1. 世界トップ500社に初めて入選した深センの企業に対して3000万元(約5.4億円)を奨励として資金供与し、中国トップ500社に初めて入選した深セン企業に対して1000万元(約1.8億円)を奨励として資金供与して、強い競争力を有する大企業グループを育成することを目指す。計画によると、2020年の世界トップ500社への深セン入選企業は8〜10社に達し、深センの産業発展の大きな力を与えることを目指す。
2. 総規模が100億元(約1800億円)の深セン市による中小企業発展基金を設立することが決定され、深セン市発展戦略に合わせた中小企業・零細企業を支援する。

三、人材発展の良好な総合環境を創造する
1. 今後5年間で3-4名の両院(中国科学院・中国工程院)院士を育成するため、ノーベル受賞者を始めとする15名ぐらいの傑出された人材を重点的に深センに招聘する。
2. 深セン市所属の当選院士(中国科学院・中国工程院)に対して、100万元(1800万円)/人の研究費と600万元(1.1億円)/人の奨励金が提供される。
3.毎年、深セン市は10億元(180億円)以上の財政資金を投入し、「孔雀計画※」の深化と開拓を目指す。評価・認定された海外ハイレベル人材による「チーム型プロジェクト」に対して最高1億元(約18億円)の資金援助が与えられる。

※「孔雀計画」:新センは2011年に打ち出した海外ハイレベル人材を招致する計画である。

[JST北京事務所]