[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2016/05/23
抄訳記事公開日:
2016/07/05

オバマ政権、ビッグデータ研究開発のための戦略プランを発表

Administration Issues Strategic Plan for Big Data Research and Development

本文:

2016年5月23日付米国ホワイトハウスによる標記報道発表の概要は、以下のとおりである。

国家的ビッグデータイノベーション・エコシステムの確立は、大規模で多様なデータセットがもたらす新しい可能性を米国が享受するために重要である。そこで、オバマ政権は、2012年にビッグデータに関する技術開発とその応用の促進および次世代データサイエンティストの育成を目指すビッグデータ研究開発イニシアチブ(Big Data Research and Development Initiative)を開始した。さらに政権は、ホワイトハウスにおける初代の主任データサイエンティストを任命し、「オープンデータ」の考え方を各省庁に定着させるとともに、プライバシー保護や市民的自由といった米国の基本的価値観を増進する形でビッグデータの活用が進むように努力してきた。

本日、政権は、連邦ビッグデータ研究開発戦略プラン(The Federal Big Data Research and Development Strategic Plan)を発表し、具体化しつつあるビッグデータの可能性を強調するともに、連邦政府によるビッグデータ研究開発計画を企画・推進する上での指針を示した。

このプランの作成は、国家科学技術会議(National Science and Technology Council)のネットワーキング・情報技術研究開発プログラム(Networking and Information Technology Research and Development Program)の下に設けられた省庁間グループであるビッグデータ上級運営グループ(Big Data Senior Steering Group (BD SSG))が中心となり、15省庁が参加して行われた。

このプランは、次の7項目の考え方を基に作成されている。
● ビッグデータの基盤、技法および技術を開発することにより次世代能力を創造する。
● より良い意思決定や画期的な発見を可能とするため、データの信頼性を検証する研究開発を支援する。
● ビッグデータイノベーションを可能とするサイバーインフラを構築し、拡大する。
● データの共有と管理を促進する政策によりデータの利用価値を高める。
● ビッグデータの収集、共有および利用に伴うプライバシー、機密保護および倫理面の諸問題を理解する。
● ビッグデータに関する教育訓練を改善し、分析能力を備えた人材に対する需要の増加に対応する。
● 政府省庁、大学、企業および非営利団体間の協力により活気に満ちたビッグデータイノベーション・エコシステムが実現するように支援する。

このほか、このプランでは、連邦政府によるビッグデータ研究開発の事例を挙げて、対処すべき課題(例えば、加齢黄斑変性の防止、出動要請があった時の消防士の安全確保、世界中の科学協力の支援等)を含む目標を定めている。

このプランは、政府によるデータサイエンス振興策の重要な道標である。BD SSG参加各省庁は、今後このプランを遂行し、問題に対する理解を深めるとともに、この重要な研究開発領域における省庁間の協力を推進していく。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]