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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国立科学財団(NSF)
- 元記事公開日:
- 2016/06/02
- 抄訳記事公開日:
- 2016/07/27
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NSF、テキサス大学オースティン校に新たなスーパーコンピュータを整備
- 本文:
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2016年6月2日付の米国国立科学財団(NSF)による標記報道発表の概要は、以下のとおりである。
NSFは、テキサス大学オースティン校(UT Austin)のテキサス先端計算センター(Texas Advanced Computing Center (TACC))に3千万ドルを供与し、米国中の何千人もの研究者に高性能計算(high-performance computing (HPC))能力を提供するための戦略的国家資源として大型スーパーコンピュータシステム、スタンピード2(Stampede 2)を開発する計画を発表した。
現在TACCには2011年にNSFの支援によって整備されたスタンピードスーパーコンピュータシステムがある。スタンピードは、これまで米国そして世界中の何万人もの利用者のために7百万件以上のシミュレーションやデータ解析を行い、住宅や商業施設の設計基準の検討に必要な地震リスクの評価から史上最大規模の数学的証明のための計算まで様々な計算を実施してきた。
スタンピード2は、スタンピードの技術と経験を基に開発されるものであり、これによって新たにピーク性能でスタンピードの2倍以上になる最大18ペタフロップスの計算処理能力を備えたスーパーコンピュータシステムが利用可能となる。
スタンピード2では、ピーク性能、メモリー、記憶容量および帯域幅を倍増させて現在のスタンピードシステムの能力を凌駕する予定で、インテル社が開発中の最先端のプロセッサー技術や不揮発性メモリー技術など今後実用化される予定の新技術を組み込んで段階的に整備される計画である。
スタンピード2の開発は、TACCがデル社、インテル社およびシーゲイトテクノロジー社と協力して実施することになる。完成後の運営は、TACC、UT Austin、クレムゾン大学、コーネル大学、コロラド大学ボルダー校、インディアナ大学およびオハイオ州立大学のサイバーインフラ専門家からなるチームによって行われる予定である。
NSFにより支援された研究用サイバーインフラ資源の利用はかつてない程盛んになってきており、すべての科学・工学分野においてさらに増大しつつある。2005年以来、このような研究用サイバーインフラを活発に利用する機関の数は2倍に、研究代表者の数は3倍に、そして利用者の数は5倍に増加した。さらに、TACCのスタンピードシステムに新たにスタンピード2が加わることによって科学者たちによる大規模計算の需要増大に対応することが可能となるだろう。
なお、今回の発表は、本日TACCにおいて開催されたTACC設立15周年記念行事の中で行われた。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]