[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)
元記事公開日:
2016/06/28
抄訳記事公開日:
2016/07/28

EU離脱国民投票後の高等教育・研究に関する大学・科学担当大臣の発言

Statement on higher education and research following the EU referendum

本文:

ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)の2016年6月28日付標記発表では、EU離脱国民投票後の高等教育・研究に関してジョー・ジョンソン(Jo Johnson)大学・科学担当大臣の見解を報じている。概要は以下のとおり。

(なお、メイ新内閣の発足に伴う省庁再編により、BISはエネルギー気候変動省と合併し、ビジネス・エネルギー・産業戦略省(Department for Business, Energy & Industrial Strategy: BEIS)が新たに設置された。高等教育はBISから切り離され、教育省(DfE)に移管されることとなった。BEIS大臣にはグレッグ・クラーク氏が就任し、大学・科学大臣(閣外大臣)には、BEISとDfEの兼任というかたちでジョー・ジョンソン大臣が再任された。)

英国は世界でも最高クラスの大学や研究者を擁しており、その成功には世界各国からの学生、学者、研究者が重要な役割を担っている。首相が表明しているように、政府は高等教育・研究法案など議会に提出済みの重要法案の手続きを引き続き進めていく。国民投票の結果が高等教育・研究に及ぼす影響について、懸念があることは承知している。このような懸念の多くは、英国とEUの将来の関係に関する広範な議論の中で検討される必要がある。詳細な情報を提供できるところには、そうするであろう。英国は今のところまだEUの一員であり、引き続き加盟国としての義務を果たすとともに、関連のファンディングも受ける。

・英国の奨学金等を受けているEU諸国の学生

現行の規則の下で、学生ローン・カンパニー(Student Loans Company: SLC)から貸付金や助成金を受ける資格を有するEU学生は、現在在籍しているか、これから新学年で開始される課程で、その資格を継続できる。また、本日立ち上げた修士課程奨学金(Master’s Loans)も、資格を有するEU学生に対しては依然として有効である。将来のさらなるファンディングに関するEUとの取り決めについては、英国のEU離脱の議論の中で決められる。

・EUの学生・教員等の身分

首相が発表したとおり、EU在住の英国市民および英国在住の欧州市民の環境がEU離脱国民投票後に即刻変化することはない。この条件は、大学の学生でも職員でも同じである。すでに英国に滞在中か滞在を予定している学生、訪問者、実業家、企業家に対して、ビザの発給方針がすぐに変わることはない。

・エラスムス・プラス(Erasmus+)

エラスムス・プラス(2014~2020年までの留学支援プログラム)によりEUに留学中の学生または2017年に応募を考えている学生に、国民投票の結果が影響を及ぼすことはない。エラスムス・プラスに対する英国の将来の対処方はEUとの広範な議論の中で決定される。

・ホライズン2020(Horizon 2020)による研究ファンディング

ホライズン2020(2014~2020年の7年に亘る欧州研究イノベーション枠組みプログラム)への応募や参加に国民投票の結果が即刻影響することはない。英国の研究者や企業は今までどおり継続してプログラムに応募することが可能である。欧州の研究イノベーションのファンディングへの英国の参画は、今後の議論の対象となる。政府は、英国が欧州および国際的な研究イノベーションにおいて継続して指導的役割を演じられるように条件を確保する決意である。

[DW編集局]