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国・地域名:
オランダ
元記事の言語:
英語
公開機関:
オランダ応用科学研究機構(TNO)
元記事公開日:
2016/06/20
抄訳記事公開日:
2016/08/12

イノベーション・エコシステム推進のためのフィールドラボに関する調査結果

FIELDLAB TO BOOST THE INNOVATION ECOSYSTEM

本文:

オランダ応用科学研究機構(TNO)の2016年6月20日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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イノベーション政策における最近の進展では、イノベーション・エコシステムを推進する上でフィールドラボが果たす役割が重視されている。欧州の「Innovation Hub」、ドイツの「Mittelstand 4.0 Kompetenzzentren」、オランダの「Smart Industry Fieldlabs」などがその例である。フィールドラボとは、企業や研究機関が技術的なソリューションを開発、試験、実施することができる実践的な環境であり、人々がこうしたソリューションを応用する方法を学ぶための場でもある。

オランダ応用科学研究機構(TNO)の最近の研究で、フィールドラボがイノベーション・エコシステムに及ぼす影響について、次のような質問に回答するかたちで調査が行われた。(1)フィールドラボは、どのようなタイミングでイノベーション・エコシステムに影響を及ぼすか。(2)実際にこうした影響をもたらすために、フィールドラボにはどのような特徴と活動が必要か。

調査では、次の45の指標に基づき、8つの大規模なフィールドラボの事例が分析された。

– フィールドラボの15の特徴(例:開発中の技術の種類、フィールドラボのパートナーの構成、資金調達、知的財産など)
– フィールドラボの15の活動(例:研究開発・イノベーション活動、アップスケール活動、少量生産(micro-production)、物価安定活動、インキュベーター活動など)
– 複合効果のある15の影響指標(例:解決済みの問題、新たな研究成果、新技術、新規雇用、スピンオフなど)

調査の結果、イノベーション・エコシステムに対して最も強い影響力を持つのは、次のようなフィールドラボであることが示されている。

– 物理的に近接する産官学のパートナーを擁し、フィールドラボが問題を解決できる、または社会的需要に対応できるような明確なガバナンスモデルが定められている。
– 野心的かつスマートな目標を設定し、その達成を目指している。
– 調査対象となった15の活動の多くを実践している。
– 明確なビジネスモデルがある。

[JSTパリ事務所]