[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
共同研究センター(JRC)
元記事公開日:
2016/07/18
抄訳記事公開日:
2016/08/29

研究イノベーションオブザーバトリー(RIO)国別報告書第2版を発表

New reports look at research and innovation challenges and developments across the EU

本文:

欧州委員会共同研究センター(JRC)の2016年7月18日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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欧州委員会共同研究センターの研究イノベーションオブザーバトリー(Research and Innovation Observatory:RIO)が、各国の研究イノベーションシステムの進展を評価し、主な課題を明らかにしたRIO国別報告書の第2版を発表した。

これら国別報告書は、研究イノベーション(R&I)分野における各国の政策の進展を詳細に伝え、研究開発に対する公共部門および民間部門からの資金供与状況を分析し、研究基盤の質および欧州研究領域(ERA)の優先事項の実施レベルを評価し、R&Iの枠組み条件および産学の結びつきについて記述することで、数多くの情報を提供している。

2015年版報告書によると、EU加盟国の多くにおいて、産業部門の協力と公的研究による成果の実用化という2点が、R&Iシステムにおける重要な課題として残されているという。また、ビジネス部門(特に中小企業)のイノベーション創出が低いことも懸念されている。このほか、イノベーションユニオンのスコアボードでイノベーションリーダーとしてランクインした国ではR&I活動における人材の需要が増加しているのに対し、モデストイノベーター(中程度のイノベーター)としてランクインした国ではR&Iに関する効果的なガバナンスを確立し、R&Iへの支出の優先順位を定める取り組みが続けられていることも明らかになった。

研究開発予算の分析では、2010年から2013年にかけて、一部のEU加盟国では構造的収支が改善され、研究開発への公共支出を維持もしくは増加させることに成功した加盟国もあることが示されている。しかし、切迫した債務の返済圧力に直面していないにもかかわらず、例えばブルガリア、フィンランド、ルーマニアなどのように研究開発費が大幅に削減されている国も多くある。

[JSTパリ事務所]