[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2016/07/25
抄訳記事公開日:
2016/09/07

下水汚泥の資源化

Rohstofflager Klärschlamm

本文:

ミュラー連邦教育研究省政務次官は下水汚泥からリンを回収するための大型浄化設備のパイロットプラント(ニュルンベルク)の始動を行うこととなり、これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

下水汚泥については現在、再生利用の可能性が検討されている。その理由は間近に迫る下水汚泥・肥料条例の改正である。連邦政府は飲料水および海水を保護するために下水汚泥の肥料としての利用を厳しく制限しようとしており、同時に、リンは農業にとって不可欠のミネラルであることから、リンを下水から資源として回収しようとしている。

ミュラー次官は「経済成長と資源利用を切り離すという目標を達成するためには、生産および消費における資源効率を向上させ、それに対応するリサイクル経済を構築しなければならない」と語り、下水汚泥のエネルギー利用と資源回収とを同時に行い、リンをリサイクルすることは、イノベーション的な研究プロジェクトを実用化させることができる好例である、と述べた。

ドイツのリン需要の半分はドイツに蓄積されている下水汚泥からの回収分でカバーできる可能性があり、海外への依存を軽減することができる。リンは農業だけでなく、多くの技術領域で利用されている。

BMBFの助成によるパイロットプラントは冶金リンリサイクル・プロセスをベースとしている。プラントの中心となっているのは、通常鉄屑および銑鉄から鋳鉄を製造するキュポラであり、その中で下水汚泥が最高摂氏2,000度で融解されるというもの。この技術がこの大きな規模で、初めて下水汚泥の加工に利用されることになる。

この計画にBMBFは420万ユーロを投入しており、ニュルンベルク下水汚泥加工社の主導の下に産業界からパートナーとして2社、更に4つの研究機関が協力している。このパイロットプラントはBMBFの「持続可能な発展のための研究」基本計画に属する助成措置「エネルギー効率化および資源保護的な水経済に関する未来技術および同コンセプト」の一環である。

[DW編集局]