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国・地域名:
アイルランド
元記事の言語:
英語
公開機関:
アイルランド雇用・企業・イノベーション省
元記事公開日:
2016/07/29
抄訳記事公開日:
2016/09/12

アイルランドが国際研究イニシアティブ「ELIXIR」に参加

Ireland joins international research organisation - ELIXIR

本文:

アイルランド雇用・企業・イノベーション省の2016年7月29日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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2016年7月29日、メアリー・ミッチェル・オコナー雇用・企業・イノベーション大臣、およびジョン・ハリガン訓練・技能・イノベーション大臣(Minister for Training, Skills and Innovation)は、アイルランドが、生命科学に関する国際研究イニシアティブである「ELIXIR」に参加したことを明らかにした。これによりアイルランドは、ELIXIRの19番目のメンバーとなった。

ゲノム解読の進歩により、生命科学関連のデータが急増している。ELIXIR、すなわち生物学情報のための欧州生命科学基盤(European Life-science Infrastructure for Biological Information)イニシアティブは、欧州全域の研究データを統合し、メンバーがこれらに容易にアクセスできるようにするための基盤づくりをしている。向う4年間のうちに欧州の生命科学データ基盤を実装可能にするため、ELIXIRには、研究・イノベーションを支援する欧州委員会のプログラム「ホライズン2020」から、1,900万ユーロの資金が支給されている。

公的に助成される研究から生成されるデータの量は増え続けているが、ELIXIRは、欧州屈指の生命科学に関する研究機関をひとつにまとめ、こうしたデータを管理、保護している。ELIXIRの目標は、生命科学の実験で得られた膨大な量の生物学データの収集、品質管理およびアーカイブ作成を組織化し、また調整することである。データセットの一部は非常に専門的な内容であり、これまではそのデータを生成した国の研究者しか利用することができなかった。

アイルランド科学財団(SFI)事務局長兼アイルランド政府首席科学顧問のマーク・ファーガソン教授は今回のメンバーシップ表明に対し、「ELIXIRに参加することで、一連の継続的なコア・リソースを通じてデータが安全に保管、統合され、誰もが自由にアクセスできるようになるため、生物学研究に対する国の投資も有効利用され、守られることになる。こうして統合された膨大な「ビッグデータ」を科学的に分析すれば、新しい重要な発見に結びつき、ここから新製品が誕生して、保健衛生や農業、環境の状態も改善されることになるだろう。また、ELIXIRに参加することで、アイルランドに拠点を置く研究者が、競争がし烈なホライズン2020の資金供与プログラムに積極的に応募し、欧州にとって有意義な協力関係を築く機会も増えるはずである。」と述べた。

[JSTパリ事務所]