[本文]
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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2016/09/09
- 抄訳記事公開日:
- 2016/10/24
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職業教育4.0が必要
- 本文:
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連邦教育研究省(BMBF)は企業における社員教育や職業訓練の再教育におけるデジタル・メディアの利用に関する初の調査結果を発表し、これに関して概略下記のような報道発表を行った。
今日、ほぼすべての企業がデスクトップ、ノートブック、あるいはタブレット等のインターネットに接続可能な端末を備えており、企業内の訓練や教育にもこれを利用している。しかし新しいデジタル学習方法はまだ非常に控えめにしか利用されておらず、依然として旧来のメディアフォーマットが最大の役割を担っている。これはBMBFの委託で行われた、企業内の訓練・再訓練におけるデジタル・メディアの重要性に関する初の調査結果である。同調査は連邦職業教育研究所(BIBB)およびTNS Infratest社がドイツの300社を対象にデジタル・メディアの利用に関して行ったものである。
ヴァンカ大臣は「デジタル化および自動化の進展は職業教育にも及んでいる。屋根ふきについてはドローンを利用して、建物を検査し、設備技術者は持ち家づくりにスマート・フォン技術を組み込んでいる。デジタル化は専門人材の資格に新しい要件を加えることになる」と語り、「ドイツには職業教育4.0が必要である。このためBMBFは職業教育におけるデジタル推進に特別な重点を置く。特にこのテーマについて中小企業を覚醒させ、支援していきたい」と続けた。
「企業におけるデジタル・メディア‐現在と未来:現状分析」と題した調査は、職業教育訓練における分野別、企業規模別、地域別のデジタル・メディア利用状況に関して初の概要を提供するもので、企業がデジタル・メディアの将来の重要性をどのように評価しているかについても言及している。それによると回答企業の大多数が、今後3年間にあらゆる業務においてデジタル機器の重要性は大きくなるとみている。これに対し、約半数の企業は訓練生のIT知識に不満足としている。IT知識が非常に良い、もしくは良いとしたのは全体の3分の1に満たない。
BMBF職業教育4.0助成策の中心となっているのは、「職業教育におけるデジタル・メディア」プログラムである。職場における学習、eポートフォリオ、Open Educational Resources等、デジタル化に関する新しい問題解決方法を開発し、検証していく。さらにBMBFは、特に中小企業のために将来に通用する専門人材の資格の取得を、企業が合同で職業教育訓練を行う施設におけるデジタル化特別プログラムによって支援していく。また「未来のデジタル業務の為の専門人材資格および技能」イニシアチブによってBIBBと協力し、13の職業を選択、どのようにデジタル化が労働プロセスおよび資格要件に影響し、また訓練をこれに対応させていくべきかを調査する。
来年度から新たな振興策により、優れたデジタル学習コンセプトの普及および移転を進めることになる。目標は、デジタル学習のためのネットワークであり、これを通じ企業は共同で必要な技術的インフラおよびデジタル学習内容を展開し、利用できる。また品質確保のための標準およびプロセスの共同開発並びに高品質の資格訓練サービスの提供も併せて推進されることになる。加えて来年度から更なる新イニシアチブによって再教育におけるデジタル・メディア・コンペテンスを向上させていく。
[DW編集局]