[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2016/08/17
抄訳記事公開日:
2016/10/25

中国、量子科学の飛躍的発展を目指す

推动量子科学实现跨越性发展

本文:

2016年8月17日付の「中国科学報」ネット版は、「中国、量子科学の飛躍的発展を目指す」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

中国は8月16日未明、甘肃省の酒泉衛星発射センターで、ロケット「長征二号」による世界初の量子科学実験衛星「墨子号」の打ち上げに成功した。中国共産党中央政治局委員、国務院副総理の劉延東氏は、北京航天飛行制御センターで量子科学実験衛星の打ち上げを見守った。打ち上げ成功後、劉延東氏は量子科学実験衛星の開発・建設・試験に参加した研究者らの努力に敬意を示し、打ち上げ成功を祝った。劉延東副総理は、「全国科学技術革新大会の精神を全面的に貫き、世界最先端の量子科学の発展を目指す。量子通信技術の実用化に向けてイノベーション型国家の世界の仲間入り、科学技術強国を建設するためにより力強く貢献していくことを強く期待している」と述べた。

量子科学実験衛星の打ち上げ成功は衛星と地上間の量子通信を世界で始めて実現し、中国の宇宙科学における重要な一歩を踏み出したことを示す。また、宇宙科学発展の戦略的な高みの構築及び情報安全問題の保障に重要な意義を持っている。劉延東副総理は、「大学と科学研究機関、企業等の共同研究を強化し、量子科学実験衛星の軌道上での運行、科学実験及びデータ分析を円満に完成させ、早めに量子通信技術の実用化を実現するように努力し、量子科学事業の更なる発展に堅固な基礎を打ち立てる。その他、衛星データの開発応用及び核心的な鍵技術の移転転化を加速させ、宇宙科学探査の持続的発展を推進し、経済社会の発展に大きく貢献することを期待する」と強調した。

中国が自主開発した「墨子号」量子科学実験衛星は衛星プラットフォーム、ペイロード、地上光トランシーバー等の一連の重要な技術を突破し、軌道で量子鍵配送、広域の量子鍵配送ネットワーク、量子もつれの配送、量子テレポーテーション、衛星と地上間の高速レーザーの通信等の科学実験を展開することとなっている。

[JST北京事務所]