[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2016/09/13
抄訳記事公開日:
2016/10/26

大統領候補が科学に関係する20の質問に回答

U.S. Presidential Candidates Address 20 Key Science-Related Questions

本文:

2016年9月13日付の米国科学振興協会(AAAS)による標記報道発表の概要は、以下のとおりである。

4人の主な米国大統領候補(民主党クリントン候補、共和党トランプ候補、アメリカ緑の党スタイン候補、リバタリアン党ジョンソン候補)のうちジョンソン候補以外の3候補が、AAASを含む56の指導的超党派団体の連合体により作成された科学、工学、技術、保健および環境に関する20の重要な質問に対して回答を寄せた。

1千万人以上の科学者・技術者を代表するこの連合体は、以前から候補者たちに対してこれらの質問への回答を求めるとともに、ジャーナリストと有権者に対して候補者たちが質問に回答するよう圧力をかけることを促してきた。

これらの質問とそれに対する候補者たちからの回答は、この運動を主導する非営利組織サイエンスディベート(ScienceDebate.org)のホームページ(http://sciencedebate.org/20answers)に掲示された。今後、科学コミュニティ、ジャーナリストおよび市民に広く周知され、有権者が十分な情報を知った上で11月の大統領選挙に臨むための助けとなるだろう。

同様の取り組みは2008年と2012年の大統領選挙においても実施された。そのときは、民主党のオバマ候補と共和党のマケイン候補・ロムニー候補がこの取り組みに参加した。

サイエンスディベートのオットー会長は、次のように語った。
・ 全体的に見れば、これらの質問で取り上げられた問題は、経済政策、外交政策、宗教、価値観等に対する候補者たちの見解といった、より頻繁にマスコミで取り上げられる問題と少なくとも同程度には大きな影響を有権者の生活にもたらすだろう。

・ サイエンスディベートとリサーチアメリカ(Research!America 医学分野の研究振興のために活動する非営利組織)の委託による2015年の世論調査によると、米国市民の大半(87%)は大統領候補と議会議員候補が公共政策に関連する科学を基本的に理解していることは重要と考えている。

また、AAASのCEOは、次のように語った。
・ ややもすると、政治家たちは科学の問題とはNASAあるいはNIHの予算のような問題のことであると単純に考えてしまいがちであり、科学と研究に関する大統領の姿勢と決断が経済成長から教育、保健医療等に至る様々な側面で国民の福利に影響を及ぼすことを理解できていない場合がある。このため、有権者には、大統領候補の科学と研究に関する見解を知るチャンスが与えられるべきである。我々は、ジャーナリストと有権者たちが候補者たちと彼らのキャンペーンスタッフに対してこれらの質問への回答を粘り強く求め続けることを望む。

(訳者注:サイエンスディベートのホームページによると、残るジョンソン候補からの回答は本報道発表後の9月17日に届いたとのことである。ジョンソン候補を加えた4人の大統領候補からの回答はサイエンスディベートのホームページで閲覧できる。)

[DW編集局+JSTワシントン事務所]