[本文]

国・地域名:
フィンランド
元記事の言語:
英語
公開機関:
フィンランド技術庁(Tekes)
元記事公開日:
2016/09/14
抄訳記事公開日:
2016/10/31

Watsonを用いた個の医療推進で、フィンランドとIBMが提携

Finland and IBM partner to develop personalized healthcare and spark economic growth with Watson

本文:

フィンランド技術庁(Tekes)の2016年9月14日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
===
フィンランド技術庁(Tekes)とIBMは2016年9月14日、フィンランドがWatsonのコグニティブ・コンピューティング技術を利用して医師による人々の健康状態の向上・改善を支援し、保健福祉の分野におけるイノベーションとビジネスエコシステムを強化発展させることを目的に、パートナーシップを結んだことを表明した。両者の協力関係を促すため、IBMはフィンランドに北欧初のヘルスケアコンピテンシーセンターとなる、Watson Health Center of Excellence、および米国以外では初めてのNational Imaging Center of Excellenceを設立する。これらのセンターは、今後2年間で150人前後のスタッフを雇用する予定となっている。

Tekesは、このIBMとの画期的な提携関係が、データ駆動型のコグニティブ・コンピューティング技術を利用したアプリケーションやソリューションを生み、フィンランドのビジネス/イノベーション・エコシステムの拡大と成長にも結びつくとしている。具体的には、今回のパートナーシップによって、フィンランドにおけるスタートアップ企業の創設が促され、フィンランド企業が世界的に成長するための新たな機会が生まれ、事業の規模を問わず保健医療ビジネスのデジタル化が進むものと期待している。

フィンランドには保健医療部門に独自のエコシステムがあり、医療記録の完全な電子化、全国的に利用可能な保健医療サービス、健康・保健関連の官民部門の緊密な協力体制などがその特徴とされている。またフィンランドは、福祉や医療に関するデータの安全な二次利用について定めた法規の制定においても欧州を先導している。この規制は、研究開発やイノベーションに新たな機会をもたらすものと考えられている。

IBMは1936年からフィンランドで事業を展開しており、製造業からヘルスケアに至る、国の発展上極めて重要な各種産業部門において、数々の事業部門が積極的に活動を展開している。ヘルシンキに拠点を置くIBMフィンランドは、コグニティブ・ビジネスを支えるクラウドプラットフォームを構築する企業であり、フィンランドの企業や産業のデジタル化に貢献している。

[JSTパリ事務所]