[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2016/09/15
抄訳記事公開日:
2016/11/14

米国議会、研究開発の政府支出を増加させる見込み

Congress Is Expected to Boost Research and Development Spending

本文:

2016年9月15日付の米国科学振興協会(AAAS)による標記報道発表の概要は、以下のとおりである。

AAASが行った研究開発予算に関する議会審議状況の最新の分析結果によれば、議会は連邦政府の研究開発プログラムの予算を2017会計年度において前年度から少なくとも31億ドル増加させる方向にある。この予算増加は、連邦政府の裁量的支出の総額を前年度並みに抑えるという合意のある中では特筆すべきである。

上記分析に関する最新報告はAAASのR&D予算・政策プログラムによってまとめられ、9月15日に議会議員宛に送付された。この報告のポイントは、次のとおりである。
・ これまでに上下両院の歳出委員会が可決した12の歳出法案に盛り込まれた2017会計年度研究開発予算は、対前年度比で下院歳出委員会の案では31億ドル(2.1%)の増、上院歳出委員会の案では47億ドル(3.2%)の増となっている。
・ 両院の歳出委員会が可決した歳出法案の中から開発予算を含まない研究予算だけをみると、2017会計年度の研究予算は前年度から2%以上増加すると見込まれる。
・ 議会が最終的にどのような形で予算をとりまとめることになったとしても、こういった予算増加自体は維持されるだろう。
・ この研究開発予算の増加は、インフレ率を1.8%と見込んだとしても、研究開発費の実質的な増加を意味する。
・ こういった予算増加の結果、最終的な2017会計年度の研究開発予算は、本年のはじめに予算教書でオバマ大統領が要求した予算レベルを超えることになるだろう。
・ 2017会計年度における連邦政府研究開発費の対GDP比は、現時点における下院歳出委員会の予算案では0.78%、上院歳出委員会の予算案では0.79%になると見込まれる。これらの値は、連邦政府の研究開発費に関する最近の傾向に沿ったものである。

今回の議会による研究開発予算増加の主たる要因は、両院の歳出委員会が予算教書に記載されたオバマ大統領の提案額よりもずっと多額の予算をNIHに配分したことにある。

大統領の予算案は、NIHの裁量的支出に関する予算を10億ドル削減する一方で、義務的または直接的支出に関する予算(法律に基づいて連邦政府に支出が義務付けられる予算)を18億ドル増加するというものであった。

NIHのために下院歳出委員会が13億ドルの予算増を認め、上院歳出委員会が20億ドルの予算増を認めたことによって、両院の歳出委員会の委員たちは大統領によって提案されたNIHの裁量的支出に関する予算削減を拒否したことになる。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]