[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2016/10/12
抄訳記事公開日:
2016/11/29

デジタル教育での飛躍的前進

Sprung nach vorn in der digitalen Bildung

本文:

ヴァンカ連邦教育研究大臣はデジタル知識社会に向けた教育イニシアチブを発表。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

ヴァンカBMBF大臣が発表した「デジタル知識社会に向けての教育イニシアチブ」は教育におけるデジタル化の前進を目的としている。BMBFの戦略は、デジタル化が早期児童教育、学校教育、職業教育、大学、継続教育等全ての教育領域にもたらすチャンスを示すものである。

同大臣は「21世紀の優れた教育には、ITの知識、技術の主体的利用およびデジタル・コミュニケーションのリスク対応、さらにはデジタル・メディアがもたらす多くの新しい可能性を用いた学習が含まれている。ドイツはこれらのチャンスをこれまで以上に強力に利用していかなければならない。そしてデジタル教育において大きな飛躍を遂げなればならない。BMBFはこうした展開を新しい戦略によって推進していく」と語り、「デジタル教育の成果にとって欠くべからざるは、デジタル技術は優れた教育のために資するものでなければならず、その反対ではない、とする教育理論である」とした。

ドイツの学校がデジタル教育を提供できるようにすべく、BMBFは州と共にDigitalPakt#D(ドイツ・デジタル協定)を提案する。BMBFはこれによって5年間で、約50億ユーロを投じ、ドイツにおける小学校、その上の一般教育学校、職業学校の約4万校に広帯域接続、無線LAN、さまざまな装備を整備する。これに対し州側は、これに対応する教育コンセプト、教員の訓練、および共通技術標準を実現する義務を負うことになる。これに関する取り決めの基礎となるのは、情報技術領域における州と連邦の協力を定めた基本法第91条c項である。

ヴァンカ大臣は「デジタル教育を実現することに、連邦と州は共同で責任を負う、極めて重要な未来課題である。DigitalPakt#DによってBMBFは、学校が迅速に、かつ包括的で、そして実用的にデジタル教育のための適切な手段を備えるための具体的提案を提示したことになる。このための煩雑な基本法改正は必要なく、良き教育のために、現存の可能性を利用できる」と語った。

また、デジタル知識社会に向けての教育イニシアチブは特にBMBFの以下の措置を含むものである。
・学校クラウド: Webをベースとしたサービスで、参加する学校に学習・活動環境並びに学習コンテンツを提供する。
・デジタル化地方能力センター:BMBFが地方自治体および教育機関の教育デジタル化戦略を支援し、ベストプラクティスの普及を支援する。
・OER-情報オフィス:オープン教材(Open Educational Resources OER)を全ての教育分野で永続的に根付かせるため、BMBFは情報を収集し、整備するための情報オフィスを設置。
・職業教育4.0:BMBFは既にスタートしているイニシアチブ「職業教育4.0」により職業教育のデジタル化を支援しており、企業間トレーニングセンターでの教育訓練やデジタル装備を進め、訓練におけるデジタルメディアの利用を推進している。
・学習過程の再開発:あらゆる専門領域の大学卒者がこれまで以上に、進んだデジタル能力を必要としている。BMBFは大学が教育課程の適切な最新化を図り、新しいデジタル職業像の提供を具体化するよう支援している。
・教育連邦賞:デジタル教育の認知度を高めるため、BMBFは色々なカテゴリーの連邦賞を設ける。

[DW編集局]