[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2016/09/28
抄訳記事公開日:
2016/12/01

食料・エネルギー・水の連環(ネクサス)におけるイノベーションに7,200万ドルの助成

NSF invests $72 million in innovations at nexus of food, energy and water systems

本文:

2016年9月28日付の国立科学財団(NSF)の標記報道発表の概要は以下のとおりである。

生態系に不可欠なサービスを維持しつつ食料・エネルギー・水系の将来の安全確保に役立てるべく、NSFは科学・工学の基礎研究に7,200万ドル強の助成を実施することにした。この投資はNSFの「食料・エネルギー・水の連環(ネクサス)におけるイノベーション」(INFEWS)プログラムの一環である。

エネルギー・水システム間の複雑な関係はこの数十年間に調査研究が実施(水の農業利用の研究はもっと以前に遡る)されているが、これらがどのように相互作用するのかが最先端の研究領域になって来ている。干ばつや帯水層の枯渇、農業における食用作物と燃料作物との間のシフト、食品廃棄物に関する問題および食料生産に必要なエネルギーの過酷な需要、食品加工と輸送などである。このような領域のすべてで、食料・エネルギー・水の連鎖系について、より深くより広範な調査研究が推進されている。

INFEWS投資の成果は、あらゆるレベルの意思決定者が人類のニーズに適切に応えつつ自然界を保護するのに役立つ。科学者も政策決定者も食料・エネルギー・水連鎖系に関する新たな知見を獲得し、データや革新的なモデルによる洞察を行い、先端技術による新規能力を開発することで、廃棄物を削減して効率を向上させる事が可能となる。INFEWS投資はまた、大学院生が食料・エネルギー・水各系の複雑な相互作用を理解して運用し、それを活用し、分野間での知識を一体化できるようにする。INFEWSの研究では、物理学、工学、地質学、生物学、社会・行動学的プロセスのほか、サイバーの要素もそのプロジェクトに含める。

INFEWSプロジェクトでは次の4つの目標のうち1つ以上に対処することになっている。
・定量的計算モデルによる食料・エネルギー・水連鎖系の理解促進を図ること。これには関連のサイバー・インフラに対する支援が含まれる。
・食料・エネルギー・水連鎖系の挙動に関する理解を向上させ意思決定能力の強化を図ることのできる、リアルタイムにサイバー利用が可能なインターフェースを開発すること
・食料・エネルギー・水の重要問題に対するシステム・イノベーションや技術的解決策をもたらす研究を可能にすること
・教育・その他の専門家育成の機会を通じて、食料・エネルギー・水連鎖系の研究・運用ができる科学人材を育成すること

[DW編集局+JSTワシントン事務所]