[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
共同研究センター(JRC)
元記事公開日:
2016/10/25
抄訳記事公開日:
2016/12/07

ナノ材料の安全性評価手法

In vitro Dosimetry to improve nanomaterial safety assessment

本文:

欧州委員会共同研究センター(JRC)の2016年10月25日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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欧州委員会共同研究センター(JRC)の研究者が、in vitro試験における金のナノ粒子の細胞容量を定量化し、その移動メカニズムの特性を明らかにすることを目的とした研究を実施した。

コンシューマー製品に使われるナノ材料が継続的に増加していることから、科学界は、毒性スクリーニングのための標準化された、また信頼性のあるin vitro試験方法を実用化する必要性に迫られている。ナノ材料の用量反応を正確に判断する際には、細胞用量、すなわち細胞と有効に接触するナノ材料の量を決定することが基本となる。

in vitro薬量測定は、文献では見過ごされることが多く、異なる研究のデータセットを比較するのは困難となっている。数値予測モデルおよび信頼性のあるin vitroスクリーニング試験方法を開発するには、ナノ材料の移動に関するメカニズムを解明し、細胞用量を決定する必要がある。

研究の結果、完全な細胞培地におけるナノ粒子(NP)の特性を詳細に解明し、また、細胞単層上での沈着動態を明らかにした。沈着したナノ粒子の破片は、その大きさ・見かけ密度、関連する移動速度、および接触時間に大きく左右されることがわかった。また、次の2段階にわたってNPの沈着が生じていた。

フェーズ1:細胞の親和性により促される細胞への取り込み
フェーズ2:細胞膜上への主なNP沈着

今回の研究は、in vitro分析で最初に使用するNP濃度の選択が重要であることを示している。初発NP濃度があまりにも濃すぎると、細胞膜へ過大な負荷が生じ、NPと細胞の相互作用の性質を変化させてしまう可能性がある。

[JSTパリ事務所]